今回は、その2回目として、就職活動や就職することに関する学生の意識について、フリーコメントを含めて調査結果を報告する。
<概要>
●2022卒学生の志望する業界、「情報処理、システム開発」の人気が上昇
●2022年卒学生が敬遠する業界に「医療、福祉、その他」「ホテル、旅行」など、コロナ禍の影響か
●就職を希望する企業規模、文系と理系の意識差が拡大
●文系学生の「転職してもよい派」は6割、昨年より増加
●志望企業を検討する際に最も重視するのは「仕事の魅力」が最多、昨年と同様
●学生の8割が「インターンシップからの選考」に肯定的
●理系学生の推薦応募の利用状況、4分の1にとどまる
●「働き方改革への取り組み状況」への関心は9割
●「ジョブ型採用」賛成派は理系で6割、「専攻学問の専門知識」のアピールは少数派
2022卒学生の志望する業界、「情報処理、システム開発」の人気が上昇
まず、2022年卒学生が志望する業界を見てみる。
文系学生が最も志望する業界は、「総合商社、専門商社」が最も高く18%、次いで「情報処理、システム開発」が16%、「建設、住宅、不動産」が15%などとなっている(図表1-1)。
同様に、理系学生が最も志望する業界を見ると、「情報処理、システム開発」が最も多く23%、次いで「電機機器、電気電子部品」が20%、「機械」が19%などとなっている(図表1-2)。
これらの結果を見ると、昨年調査結果とは大きな変化は見られないものの、一昨年からの流れを見てみると、「情報処理、システム開発」の割合が増加傾向にあることが分かる。文系では一昨年調査時は12%であったのに対し、昨年調査時14%、今回調査では16%となり、理系では一昨年調査時は20%であったのに対し、昨年調査時27%、今回調査では23%と、文系・理系ともに一昨年の調査時より「情報処理、システム開発」の人気が着実に高まっていることがうかがえる。やはり、DX推進が加速する社会の動きを捉え、学生が志望する業界も変化してきているのだろう。
【図表1-1】2022卒学生の最も志望する業界ランキング(文系)
【図表1-2】2022卒学生の最も志望する業界ランキング(理系)
2022年卒学生が敬遠する業界に「医療、福祉、その他」「ホテル、旅行」など、コロナ禍の影響か
次に、2022年卒学生が敬遠する業界を見てみる。
文系学生が最も敬遠する業界は、「外食」が最も多く25%、次いで「メガバンク、信託銀行」と「医療、福祉、その他」、「地方銀行、信用金庫」が並んで15%となっている(図表2-1)。
「外食」は、文系・理系ともに例年から最も多いのに加え、さらにコロナ禍での厳しい経営を余儀なくされている状況を目の当たりにして、敬遠する学生も多く出ていることが推測される。また、文系では今年も昨年、一昨年に続き2位には金融機関が挙がっており、「医療、福祉、その他」も昨年の6位からも同率2位にランクインしている。これもコロナ禍の状況が少なからず影響しているとものと推測される。
理系学生が最も敬遠する業界を見てみると、「ホテル、旅行」が24%、次いで「外食」が23%、「人材、教育」が16%などとなっている(図表2-2)。
「ホテル、旅行」が、例年トップとなっていた「外食」を僅差で抜き、昨年調査時(5位で12%)からポイントが倍増してのトップになっているのも、コロナ禍で苦戦が続く宿泊関連業界の状況を考慮しての結果だろう。
このように、学生が敬遠する業界については、コロナ禍の影響が顕著に表れ、例年の傾向からの変化が見られる。
【図表2-1】2022卒学生の最も敬遠する業界(文系)
【図表2-2】2022卒学生の最も敬遠する業界(理系)
就職を希望する企業規模、文系と理系の意識差が拡大
就職を希望する企業規模については、文系では「できれば大手企業に行きたい」が最も多く42%、次いで「企業規模は問わない」が31%などとなっている。理系では「できれば大手企業に行きたい」が最も多く53%、次いで「絶対大手企業に行きたい」が22%となっており、これらを合計した「大手企業派」は75%に及んでいる(図表3)。
昨年調査結果と比較すると、「大手企業派」の割合は文系では61%から47%に14ポイント減少している一方、理系では元々大手志向の傾向があり、昨年70%あったのに対して今年は75%とさらに増加し、理系と文系での企業規模に対する意識の差異が広がっていることがうかがえる。
【図表3】就職を希望する企業規模
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【調査概要】
アンケート名称:【HR総研×楽天みん就】2022年卒学生の就職活動動向調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、楽天みん就(楽天グループ株式会社)
調査期間:2021年3月8~25日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2021年卒業予定の「楽天みん就」会員学生
有効回答:595件
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