「エフィカシー」とは、効果や有効性という意味です。セルフ・エフィカシーは心理学者のアルバート・バンデユーラにより提唱された心理学用語で、日本語では「自己効力感」と訳されることが多いです。自分の能力の自己評価のことで、自分のことを自分自身でどのように評価しているのかをいいます。
このセルフ・エフィカシーは、人の能力に大きく影響を及ぼします。人間は、「自分はこのくらい」と考える範囲でしかパフォーマンスを発揮できないようになっており、セルフ・エフィカシーが高ければ良いパフォーマンスを、低ければ低いパフォーマンスになってしまうと考えられています。
常に「どうせ私なんて」という自己評価をする人と、「私はもっとやれる!」という自己評価をする人とでは、結果にも大きな差が出ます。つまり、セルフ・エフィカシーが低い人は、自分で自分のできる枠を狭くしているため、「できない理由」を探してしまい、セルフ・エフィカシーの枠通りに「できない自分」を作り上げてしまいます。セルフ・エフィカシーが高い人は、そういうことはないので、自分にとって価値があるものを自分の基準で選べるのです。セルフ・エフィカシーを高めれば、なりたい自分になれるということになります。
このセルフ・エフィカシーの考え方は、コーチングでよく使われます。セルフ・エフィカシーを高めて自分に自信を取り戻し、目標を達成します。日本は謙遜を美徳とする風潮があるので、このセルフ・エフィカシーを高めるのが難しく感じる人が多くいます。セルフ・エフィカシーを高めるには、根拠がなくても良いので自信を持つことからはじめるのがいいとされており、コーチングではその自信を高めていくトレーニングをします。ついついネガティブな思想をしてしまうところを、セルフイメージが高まるように変える、そういう練習を繰り返すことにより、セルフ・エフィカシーが高まってきます。できる自分がイメージできるようになると、脳ができると思い込み、目標達成へと自信を取り戻すということです。
セルフ・エフィカシーを高める簡単な方法は、「自分で自分を褒める」ことです。意識して褒めるようにしていくとセルフ・エフィカシーはどんどん高まっていきます。しかし、セルフ・エフィカシーが低い人は、なかなか自分を褒めることができません。その場合は、周りの人を褒める練習をしていくことから始めていきます。
セルフ・エフィカシーは、目標達成に向けて欠かせないものです。目標達成に向けて、まずセルフ・エフィカシーを高めることから始めると、結果も大きく変わります。