万年ルーキーとは、部、課など、所属する組織内で後輩がいないまま30歳前後になった社員を指します。これは2008年に発生したリーマンショック以降、採用を手控えた企業で増えているといわれます。

しかし、今や我が国は人口減少社会に突入して、思うような採用ができない状況になっています。採用難は、今後ますます厳しくなることが予想されますから、万年ルーキーのまま30代後半、あるいは40代を迎える人が増加するかも知れません。

リーマンショック以降も採用を続けてきたという企業でも、今後は万年ルーキーが出現する可能性があります。

万年ルーキーは、後輩がいないわけですから、ずっと新人のする仕事をこなし続けることになります。そのため、大きな仕事を経験する機会がほとんどありません。また、当然ですが、後輩を教育する機会もありません。

これらの経験は管理職になる際には必須といっていいものですが、それがないのです。そのため、今後、管理職になって部署ひいては企業の意思決定にたずさわるようになった時の能力不足が懸念されます。

本人にも不満や不安がたまり、退職の原因にもなりかねません。毎年、新人のやるような仕事をするわけですから、成長しているという実感が持てません。他企業で活躍している大学時代の同級生に遅れをとっていると感じて不安も膨らみます。

また万年ルーキーは、組織で最年少ということで先輩に可愛がられ、甘やかされるため、指示待ち族になることが多いともいわれます。

やはり、人材採用は毎年、途切れることなく続け、先々を見越した計画的な配属をすることが重要です。