OD(organization development)は、組織開発と訳されます。風土を変えることにより、組織の健全性を高め、より効率的・効果的に機能するようにすることをいいます。
言うまでもなく、組織は人の集まりです。しかし、優秀な人が集まりさえすれば、効率的・効果的に機能するとは限りません。
たとえば、サッカーの日本代表といえば、各クラブを代表する選手が招集され、なかには世界トップクラスの選手もいます。しかし、そのような選手を集めていきなり試合をしても、勝てるとは限りません。監督の戦術に対する理解を深め、それぞれの選手が自分の役割を理解し、実際に動けるようになるまで、合宿をしたり、練習試合をしたりするなど、それなりに時間が必要です。
また、チームのパフォーマンスは個人の能力ばかりではなく、他のメンバーとの関係性によっても変わります。企業の場合には、上司と部下との関係性が大きなファクターとなります。
またスポーツの世界では、試合に勝つという、皆に共通したシンプルで明確な目的がありますが、ビジネスの世界では、個人によって目指すものが違うことが少なくありません。
ですから、ビジネスにおける組織開発では、全員が参加するワークショップなどを実施して、メンバー間のコミュニケーションを深め、一体感を高めたり、人事担当者が上司とメンバーとの間に入り、関係性改善を図るべく働きかけたりする、などのアプローチを採ることになります。