マクロミルは2019年5月30日、この春に新社会人となった全国22~25歳の会社員・公務員200名(男性100名、女性100名)を対象とした意識調査の結果を発表した。調査期間は2019年5月5日~5月7日。入社から1ヶ月が経ち少し社会人生活に慣れてきたであろう彼らが、職場で何を思いどのような意識で過ごしているのか、その実態を探った。なお、本調査は毎年5月に実施している。
入社前と後で、就職先に対するイメージにギャップを感じたかを尋ねると、「大きなギャップがあった」が9%、「ややギャップがあった」が41.5%となり、ほぼ半数の50.5%がギャップを感じていることがわかった。この設問を開始した2011年以降、50%を超えたのは2017年と今年の2回で、数字も同数となっている。
上記の50.5%の人に具体的なギャップの内容を聞いたところ、「残業が多い」(34.7%)、「給与が少ない」(21.8%)、「希望する仕事ができない」(19.8%)と、ネガティブな要素が上位に並んだ。
なお、昨年21%で4位だった「有給休暇が取得しづらい」は、今年は9%で9位と大幅に数字を下げ、過去9年間で最も低かった。この背景には、2019年4月1日から施行された「働き方改革関連法」により、有給休暇の取得が進んでいることがあるのではないだろうか。
続いて、「残業が多い」と感じている人の比率を2011年から見てみると、今年は最多だった2014年の39.6%よりも4.9ポイント下がった。しかし、最少の26.7%だった2017年以降、再びゆるやかに上昇している。
最後に、会社の実態に触れた新入社員に「管理職以上の役職に就きたいか」を質問したところ、「就きたい」と答えた人は全体の55%(2018年:62%)だった。男女別に見ると、男性は73%(2018年:79%)、女性は37%(2018年:45%)と、いずれも昨年より数字を落としている。
12年に渡って実施してきた本調査で、今年は「第1希望に就職した」と答えた人が2番目に多い年となった。しかし、入社前とのギャップを感じている人も過去12年間で最も多く、しかも「悪い意味でのギャップ」が上位を占めているのは気がかりなポイントだろう。社会人となってその現実に向き合った彼らが、ギャップと折り合いをつけながら逞しく育っていくことを期待したい。