受検者は、コンピテンシー(行動特性)、気質(BIG5)、スキルの360度評価をスマホで実施。受検が完了すると、採用担当者の補助となるような独自のスコアで、候補者の「成長ポテンシャル」と「安定性」が予測される。
(※BIG5=5つの性格的特徴<外向性・開放性・繊細性・協調性・快楽性>の強弱によって人の性格は表せる、とする性格特性論の一つ。)
同ツールが開発された背景は3つある。1つ目は、2021年春入社の学生から採用面接の解禁日などを定めた指針が廃止されることが決定しており、今後は一括・通年など、多様な新卒採用スタイルに対応するツールが求められること。
2つ目は、昨今の人材不足により、適切ではない人材を止むを得ず採用してしまうことが増えているが、「自社に合わない人材を見極めたい」というニーズを満たすことで、雇用リスクの低減に貢献できること。
3つ目は、同社がGROW360によってこれまで蓄積してきた2,200万件の評価データにより、各社の優秀層の能力分析を要せずとも、労働市場をベースとした活躍予測や安定性予測が実現したこと。無論、企業ごとの組織分析をすれば予測の精度はさらに上がるが、少人数の採用にも対応可能となったことは大きい。
『GROW360採用』の特徴は、独自の2つの判定「GP」と「SR」によって、採用候補者のリスクと成長ポテンシャルを独自の指標で一覧管理できる点だ。
「GP」とは、可能性の検知を意味するGROWTH POTENTIALの略で、応募者の成長可能性を数値化した指標。GROW360で計測した応募者のコンピテンシーなどからこの値を算出する。
「SR」とは、採用時リスクの検知を意味するSTABILITY RISKの略で、採用時における人材の安定度を数値化した指標。GROW360の受検結果をもとに、IGSが独自技術による分析ならびにAIによる検知を行い、算出する。
また、この『GROW360採用』は、新しいデータを取り込み続けることで、今後さらに判定精度が向上していく。検査の質が上がり続けるという点は、従来のペーパー式の適性検査にはなかった特徴と言える。
さらには、使いやすさにも優れており、採用候補者から送られてきた適性検査の結果を自動で判定するため、担当者にデータ分析の知識がなくとも結果が簡単に確認できる。
なお、同ツールは、経済産業省が推進する「IT導入支援事業者」に認定され、IT導入補助金の適用も可能となっている。「AIデータ管理料」や「受検費用」など導入時に掛かる費用の合計額から最大で50%(上限50万円)が補助金対象となる。