平成29年度調査では、社会人対象のアンケートに加え、理工系採用を行っている1万社の企業(回答数1,702件、回収率17.02%)を対象としたアンケートを実施し、大学新卒者の採用状況、および今後の技術者不足が予測される専門分野などを調査した。
理工系採用を行っている企業を対象としたアンケートによると、平成29年度の採用予定人数と採用実績人数の比較では、全体で採用実績の方が6.8%減という結果となった。特に機械工学、電力、土木工学等の分野においてその差が大きく開いており、予定通りの採用ができていないことがわかった。
「5年後、技術者が不足すると予想される分野」については、機械工学(12.4%)、電力(7.5%)通信・ネットワーク(5.8%)等の分野があげられた。技術者不足が予想される理由としては、「他社が当該分野の採用者数を増やしているため」(53.4%)が最も多く、次いで「業界や自社の認知度が低く、応募者が集まらないため」(43.2%)、「当該分野で学んでいる学生が少ないため」(23.4%)が続いた。
また、産学連携の取組としては、回答企業の約7割が産学連携を実施しており、今後取組を実施したいものには、「1週間程度のインターンシップ受け入れ」「共同研究」「学生を対象とした1日程度のセミナー実施」が多くあげられた。
中でも「1ヶ月以上の中長期インターンシップ受入」の割合は、現状の実施状況よりも1.7倍を上回る結果となった。他の項目と比較して、企業が中長期インターンシップに関心を寄せている現状がうかがえる。