青山商事株式会社は2024年6月25日、社員の“奨学金返還”を支援する新制度を、2025年4月より導入すると発表した。これにより同社は、社員の経済的・心理的な負担を軽減し、安心して働くことのできる環境づくりを目指す考えだ。
新卒社員を対象にした「奨学金返還支援制度」を青山商事が導入。経済的・心理的な負担軽減により優秀人材確保・定着率向上へ

年1回12万円・最大5回、「最大合計60万円」を支援

近年では、企業の賃上げの難航や学費の高騰などの影響により、奨学金を利用する大学生も増えている。日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査」によると、実に半数近くの大学生が奨学金を利用しているのが現状で、その返済負担については社会問題にもなっている。

こうした背景から、新入社員が社会人生活を開始する時点で奨学金返済の不安を持ち、その先のライフステージへの不安にも繋がっている状況を鑑み、青山商事は「奨学金返還支援制度」の導入を決めたという。本制度では、新卒入社の翌4月より、年1回12万円・最大5回(最大60万円)を支援することで、従業員が安心して働くことができる環境づくりを目指し、経済的・心理的な負担を軽減することを目的としているとのことだ。制度の導入によって同社は、優秀人材の確保や定着率向上にもつなげたい考えだ。

制度の概要は以下の通り。

<目的>
社員の奨学金返還を支援する

<対象者>
2025年度以降に新卒採用で入社した社員

<奨学金>
・日本学生支援機構の奨学金
・地方自治体、民間団体及び大学その他の奨学金貸与機関が貸与する奨学金
・その他会社が認めるもの

<支援期間>
入社後翌4月から年1回、最大5年(最大合計60万円)
※2025年4月に入社した場合、2026年4月に1回目の支援

<支援金額>
・日本学生支援機構の奨学金は4月に最大120,000円を代理返還(※)する
※企業から日本学生支援機構へ直接送金すること
・上記以外の奨学金は、4月支給の給与にて最大120,000円を上乗せ支給する


青山商事は、成長の原動力である「人」を“最大の経営資源”と定め、一人一人が働きがいを感じ生き生きと活躍できる環境作りとして、ワークライフバランス推進や、ライフステージに合わせた働き方の制度など、従業員の福利厚生の拡充に取り組んでいるという。同社は今後も、人的資本経営を推進し、経営理念である「持続的な成長をもとに、生活者への小売・サービスを通じてさらなる社会への貢献を目指す」を掲げ、さらなる企業価値向上を図っていく構えだ。
奨学金の返済については、人によっては社会に出た後に何年も向き合わなければならない問題であり、その経済的不安は大きく、その後のライフステージやキャリア形成にも影響する可能性がある。こうした返還支援の取り組みは、将来を不安視する学生が企業選びをする上で、大きな魅力になるのではないだろうか。

この記事にリアクションをお願いします!