
2024年度キャリア採用を増やす企業は、新卒採用を増やす企業の「約2.5倍」
企業の人材採用において、これまでの新卒一括採用から、コア人材獲得のための「キャリア採用」へのシフトが進んでいる。人材獲得競争が激化するなか、企業の新卒採用・キャリア採用の採用予定人数はどのように変化しているのだろうか。はじめにヒューマネージは、昨年度(2023年)と比較した「今年度(2024年)の新卒採用・キャリア採用の採用予定人数」を調べた。すると、新卒採用では「前年度並」(73.8%)が最も多く、キャリア採用では「前年度増」(51%)が最多だった。
「前年度増」の項目でみると、キャリア採用を増やす企業(51%)が、新卒採用を増やす企業(20.6%)より2.5倍程度高い割合となった。

「キャリア採用だけ増やす」企業が「新卒・キャリア採用ともに増やす」を大幅に上回る
そこで、新卒採用・キャリア採用のパターン別の増減(2023年度比/企業別)を調べたところ、「キャリア採用だけ増やす」(33.1%)が、「新卒採用・キャリア採用とも増やす」(18.4%)を大幅に上回った。また、「新卒採用だけ増やす」(5.4%)は1割未満にとどまった。これらの結果により、企業の人材採用において「キャリア採用へとシフトする傾向がある」と明らかになった。

新卒採用では「選考中辞退・内定辞退の増加」、キャリア採用では「応募者の質」が重要課題に
続いて同社は、「新卒採用・キャリア採用について、それぞれ課題と感じている点」を複数回答で尋ねた。すると、新卒採用では「選考中辞退・内定辞退の増加」(54%)が最多となり、以下、「応募者の質」(52.6%)、「応募者の量」(42.4%)と続いた。また、キャリア採用においては「応募者の質」(62.4%)が最も多かった。次に「応募者の量」(46%)、「応募者の見極め」(38.3%)の順となった。新卒採用とキャリア採用では異なる課題があるようだ。

キャリア採用の課題は、企業規模を問わず「応募者の質」が最多回答に
最後に、同社が企業規模別に「キャリア採用における課題」を複数回答で聞いたところ、いずれの企業規模でも「応募者の質」が最多(300名未満:62.4%、300~999名:61.8%、1000~4999名:63%、5000名以上:60.6%)だった。企業規模を問わず、多くの企業が求める人材になかなか出会えず、採用に苦戦している様子がうかがえる。