「働きがいのある会社」ランキング、2024年の大規模部門1位はシスコシステムズ
2023年は、「人的資本経営元年」と言われた2022年に立てた計画を推進していく年となった。2023年3月期決算からは、上場企業などを対象として「人的資本の情報開示」が義務化されたこともあり、従業員の働きがいへの関心はさらに高まっている。今回、実際に“働きがいのある会社”としてどのような企業が選出されたのだろうか。なお、働きがいのある会社研究所で実施している同調査は、積極的に従業員の働きがい向上に取り組む企業を「働きがいのある会社」ランキングとして発表しており、今年で18回目となる。
2024年に参加したのは前年より増加した653社。中でも、特に従業員の高い働きがい、エンゲージメントを引き出している企業の全100社が「ベスト100」企業として選出された。各部門の結果は以下の通り。
※順位横のカッコ内は選出回数(今回を含む)
1位 (7)シスコシステムズ(情報通信業)
2位 (12)DHLジャパン(運輸業、郵便業)
3位 (15)アメリカン・エキスプレス(金融業、保険業)
4位 (10)セールスフォース・ジャパン(情報通信業)
5位 (16)ディスコ(製造業)
6位 (7)ラクス(情報通信業)
7位 (11)パーソルキャリア (他に分類されないサービス業)
8位 (11)SAPジャパン(情報通信業)
9位 (8)レバレジーズグループ(他に分類されないサービス業)
10位(2)マネーフォワードグループ(情報通信業)
1位 (10) コンカー(情報通信業)
2位 (9) アチーブメント(学術研究、専門・技術サービス業)
3位 (1) Box Japan(情報通信業)
4位 (5) フロンティアホールディングス(不動産業、物品賃貸業)
5位 (12) FCE(教育,学習支援業)
6位 (3) 日本ケイデンス・デザイン・システムズ(情報通信業)
7位 (8) ファイブグループ(宿泊業、飲食サービス業)
8位 (11) グロービス(教育、学習支援業)
9位 (8) ヤッホーブルーイング (製造業)
10位(8) CKサンエツ(製造業)
1位 (6) あつまる (情報通信業)
2位 (3)ミクセル (卸売業、小売業)
3位 (1) All Ads (情報通信業)
4位 (7) バーテック (製造業)
5位 (3) イベント21 (他に分類されないサービス業)
6位 (2) タニウム (情報通信業)
7位 (2) Aphros Queen (他に分類されないサービス業)
8位 (5) 現場サポート (情報通信業)
9位 (1) Macbee Planet (他に分類されないサービス業)
10位(1) Reaktor Japan (情報通信業)
2024年版「働きがいのある会社」ランキングに関する全体傾向は
また同社は、2024年版「働きがいのある会社」ランキングの結果を受け、独自に全体傾向を分析した。「働く人へのアンケート」の選択式設問全60問に対し、肯定的に回答した回答者の割合の平均を、その企業の働きがい度を表すスコアとして算出して分析を実施。
2023年版と2024年版の調査に参加した企業を比較したところ、昨年は「変化なし~小」が最も多かったが、今回は大規模と中規模に「低下傾向」が増加した。その結果、全体として「低下傾向」が36.1%と、最も多くなった(変化なし~小:32.6%、改善傾向:31.3%)。
2ヵ年で改善した項目は「休暇のとりやすさ」が最多に
最後に同社が、2ヵ年(2023年版・2024年版)で特に改善した設問を調べたところ、最も改善したのは「休暇のとりやすさ」だった。各社において、継続的に柔軟な働き方への配慮、対策を推進している様子がうかがえる。そのほかに改善したのは、「連帯感」に関する設問が多かった。この結果から同社は、「コロナ禍でリモートワークの導入等の理由から課題感のあった職場内のコミュニケーションの取りにくさについて実践的な取り組みを推進した企業が多かったのではないか」と推察している。
一方で、特に低下した設問は「経営・管理者層が重要事項・変化を伝えている」(情報共有)、「従業員の提案・意見を聞いている」(傾聴)だったという。「重要事項・変化を伝えている」はコロナ禍で一時的に上昇した設問だが、平時に戻りつつある中で、スコアが低下したと見られる。同社は、「有事の際から施策の方法や頻度を変更した可能性も高いが、同じ施策を継続していたとしても、ただ続けるだけではスコアが下がることを肝に銘じたい」とコメントしている。