6割超がキャリア選択で「安定性」を重視。24卒より18.8ポイント増加に
2025年卒の就職活動が本格化し、企業選びの軸やキャリア観が形成され始めるこの時期、就活生はどのような志向性を持って臨んでいるのだろうか。今回は、RECCOOが2024年卒業予定の学生(以下、24卒生)に向けて実施した同時期の調査結果との比較も踏まえ、25卒生の就活動向をまとめている。はじめに同社が「キャリア選択で重視すること」を聞いたところ、「業界/企業の安定性が高い」が62.2%と最も多かった。24卒生(43.4%)と比較すると、25卒生が18.8ポイント高かった。
また、志望する企業規模について聞いたところ、第一希望を「大手企業」とする回答者は8割を超えたという。そのうち、大手企業を志望する理由を「安定」とした就活生は半数にのぼり、その理由としては「日々生活していくため」、「老後の生活に備えるため」といった現実的な意見が多く見られたという。
これを踏まえて同社は、「バブル崩壊後の“失われた30年”の中で過ごしてきた就活生だからこそ、その企業の財務基盤の安定が必須だと考えている」とした上で、「25卒生はコロナ禍のほかウクライナや中東地域での戦争など、社会情勢の変化による経済的影響を目の当たりにしているため、多地域で幅広い事業展開をしている大手企業に安定性を感じているのではないか」と推察している。
約6割が就活において「タイパを意識している」と回答
続いて同社が「就活において『タイパ(タイムパフォーマンス)』を意識しているか」を聞いたところ、「意識している」との回答は61.1%だった。タイパに関するエピソードとしては、「自分が重視する情報の収集には時間をかけるが、あまり重視していないものについては必要以上に時間をかけない」、「就活のためだけにやらなくてはいけないことには時間をかけない」との声が寄せられたとのことだ。「タイパを意識する」とは、就活の全プロセスに関して満遍なく効率化を図っていくのではなく、時間をかける領域とかけない領域の線引きを明確にすることだと推測できる。
就活開始時期は「大学3年4月まで」が6割に迫る。24卒生より早期化か
最後に、同社は「就職活動を開始した時期」を聞いた。その結果、「大学3年4月まで」が56.9%と、24卒と比較すると6.5ポイント増加し、早期に就活を始める学生が増えていることがわかった。また、「大学3年6月まで」には9割以上の25卒生が就活を開始していることから、夏インターンのエントリーが増える時期に合わせて、ほとんどの学生が就活を開始していると推察できる。さらに、「2023年10月現在の就活の状況」を聞いたところ、「まだ企業と接点を持っていない」との回答は、24卒生より半数程度減ったという。「内定/内々定をもらった学生」も24卒生の同時期と比べて増えており、就活の進捗も早いようだ。
就活開始のタイミングに関する25卒生の自由回答には、「明確に早く動き出そうと思って始めたわけではなかったが、先輩のアドバイスを受けて始めたら、結果的に早めの動き出しになった」、「外資コンサル志望者など、すでに多くの学生が就活を始めていることを知り、自分は遅れていると思って焦った」などの声が寄せられたという。
同社は、「先輩の経験談のほか、選考時期が早い外資系コンサルなどを志望する就活生が一定数いることにより、他の就活生もその影響を受けて就活を始める構図ができているようだ」との見解を示している。