2022年の5月病経験者の主な症状は、気力低下などの「気分に関わる変化」か
新年度が始まって1ヵ月程度が経過した頃に、「体のだるさ」、「食欲不振」、「気分が落ち込む」といった症状が出ることを、俗に「5月病」と呼ぶ。新型コロナ対策による在宅勤務など新たな働き方が推進された2022年には、どの程度の人が「5月病」を経験したのだろうか。積水ハウスはまず、「2022年に5月病になったか」(※)と尋ねた。すると、「ならなかった」が53.7%で、半数以上が5月病を経験しなかったことがわかった。一方で、「5月病になった」は35%で、3割以上が5月病を経験していたようだ。さらに、同社は「2022年に5月病を経験した」とする189名に対し、「体調の変化」を尋ねた。すると、「職場に行きたくない」が50.3%で最多だった。また、以下は「気力がない」が45%、「気分が落ち込む」が41.3%と続いた。5月病経験者は、主に気分に関わる変化を実感しているようだ。
(※)本調査では、ゴールデンウィーク明けに「職場に行きたくない」、「気力がない」など体調に変化が現れた人を「5月病になった」と分類している。
大型連休明けの体調変化の原因は「出社のストレス」が最多に
また同社は、2022年のゴールデンウィーク明けに「体調に変化が現れた」とする人に、「その原因と感じていること」を尋ねた。すると、最も多かったのは「出社のストレス」で、42.3%が回答した。以下、「人間関係の悩み」が27%、「ゴールデンウィーク期間中の生活習慣の変化」が19.6%で続いた。また、「2019年以前に5月病になった」という人と同回答を比べると、2019年の「出社のストレス」は47.1%であり、2022年には同回答が4.8ポイント減少した。これについては、2022年はコロナ禍による在宅勤務やフレックス勤務といった柔軟な働き方が可能となったことで、「出社のストレス」が緩和されたことが背景にあると推測できる。一方で2023年は、5月に新型コロナウイルス感染症の5類移行が予定されていることから、今後はさらなる働き方の変化による5月病罹患者の増加が危惧される。
「5月病」は年齢や勤続年数に関わらず誰にでも起こり得るもの
また、同社は「5月病になった」との回答者を年代別・勤続年数ごとに分類した。すると、年代別では「20歳~29歳」の20代が43.3%で最多だった。以下、「30歳~39歳」の30代が45%、「50歳~59歳」の50代が31.7%で続いた。このことから、5月病に年齢はさほど関係ないことが見て取れる。勤続年数別では、「3年以上5年未満」が最多の61%、次いで「10年以上15年未満」が41.9%だった。このことを受け同社は、「5月病は若者や新入社員だけでなく、誰にでも起こり得るものである」との見解を示している。