コロナ禍で「異業種人材の受け入れ」は一時的に落ち込むも、2021年からは回復傾向
パーソルキャリアによると、企業における異業種人材の受け入れは2018年から上昇傾向にあったという。そうした中、2020年の新型コロナウイルス感染症流行拡大を受け、企業の異業種人材の受け入れ状況はどう変化したのだろうか。同社はまず、「異業種からの受け入れ人数の推移」を分析している。すると、2018年の異業種人材受け入れを100%として、新型コロナ流行拡大が始まった2020年は86.1%まで落ち込んだことがわかった。一方で、2021年は100.4%と、2018年を0.4ポイント上回り、異業種人材の受け入れは回復傾向にあることがうかがえる。上昇率1位は「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」
次に、業種毎に異業種人材の受け入れ人数の伸び幅を分析するべく、2020年の異業種受け入れ人数を100%とし、伸び幅をランキング化している。すると、最も伸び率が高かったのは「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」で、約140%となった。以下、「インターネット・広告・メディア」、「メーカー(機械・電気)」がともに約130%、「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」、「商社」がともに120%以上となった。また、コロナ禍で注目が高まった「医療品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス」は約115%となった。一方で、「金融」、「エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー」、「旅行・宿泊・レジャー」、「運輸・物流」、「小売」では異業種受け入れ率は減少している。
コロナダメージの大きい業界は“IT・ネット関連”の業種からの受け入れが増加
最後に同社は、新型コロナの影響を大きく受けた「外食業」および「旅行・宿泊・レジャー業」における、異業種人材の受け入れ状況を分析している。すると、「外食業」は「インターネット・広告・メディア」からの人材受け入れ割合が前年比で約4.6%増加した。さらに、「建設・プラント・不動産」からの人材の受け入れも前年比で3.4%増加した。「旅行・宿泊・レジャー業」は、「IT・通信」からの人材受け入れ割合が前年比で4.5%増加。さらに「建設・プラント・不動産」からの受け入れも、4%の増加率だった。
同社は、「コロナ禍でサービスのオンライン化が進んだことから、Webマーケティングや販促のニーズが増加していることが背景にある」と考察している。