パーソルキャリア株式会社は2022年8月17日、「コロナ禍での企業の異業種人材受け入れ実態」に関する調査結果を発表した。調査は2020年1月~12月末および2021年1月~12月末の2期間に区切って実施され、同期間にパーソルキャリアが運営する転職サイト経由で異業種へ転職したビジネスパーソンのデータを基に結果を算出している。調査からは、新型コロナウイルス感染症拡大前後の異業種人材受け入れ人数の推移など、「異業種人材採用」に関する実態が明らかとなった。
「異業種人材受け入れ」はコロナ禍で減少も、一転して回復傾向に。“オンライン化”や“DX推進”によりニーズ復活か

コロナ禍で「異業種人材の受け入れ」は一時的に落ち込むも、2021年からは回復傾向

パーソルキャリアによると、企業における異業種人材の受け入れは2018年から上昇傾向にあったという。そうした中、2020年の新型コロナウイルス感染症流行拡大を受け、企業の異業種人材の受け入れ状況はどう変化したのだろうか。同社はまず、「異業種からの受け入れ人数の推移」を分析している。すると、2018年の異業種人材受け入れを100%として、新型コロナ流行拡大が始まった2020年は86.1%まで落ち込んだことがわかった。一方で、2021年は100.4%と、2018年を0.4ポイント上回り、異業種人材の受け入れは回復傾向にあることがうかがえる。
「異業種人材受け入れ」はコロナ禍で減少も、一転して回復傾向に。“オンライン化”や“DX推進”によりニーズ復活か

上昇率1位は「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」

次に、業種毎に異業種人材の受け入れ人数の伸び幅を分析するべく、2020年の異業種受け入れ人数を100%とし、伸び幅をランキング化している。すると、最も伸び率が高かったのは「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」で、約140%となった。以下、「インターネット・広告・メディア」、「メーカー(機械・電気)」がともに約130%、「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」、「商社」がともに120%以上となった。また、コロナ禍で注目が高まった「医療品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス」は約115%となった。

一方で、「金融」、「エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー」、「旅行・宿泊・レジャー」、「運輸・物流」、「小売」では異業種受け入れ率は減少している。
「異業種人材受け入れ」はコロナ禍で減少も、一転して回復傾向に。“オンライン化”や“DX推進”によりニーズ復活か

コロナダメージの大きい業界は“IT・ネット関連”の業種からの受け入れが増加

最後に同社は、新型コロナの影響を大きく受けた「外食業」および「旅行・宿泊・レジャー業」における、異業種人材の受け入れ状況を分析している。すると、「外食業」は「インターネット・広告・メディア」からの人材受け入れ割合が前年比で約4.6%増加した。さらに、「建設・プラント・不動産」からの人材の受け入れも前年比で3.4%増加した。

「旅行・宿泊・レジャー業」は、「IT・通信」からの人材受け入れ割合が前年比で4.5%増加。さらに「建設・プラント・不動産」からの受け入れも、4%の増加率だった。

同社は、「コロナ禍でサービスのオンライン化が進んだことから、Webマーケティングや販促のニーズが増加していることが背景にある」と考察している。
「異業種人材受け入れ」はコロナ禍で減少も、一転して回復傾向に。“オンライン化”や“DX推進”によりニーズ復活か
本調査からは、新型コロナの流行初期に異業種人材の受け入れ人数は減少したものの、現在は回復傾向にあることがわかった。各業界が、コロナ禍を機に新たな業態やDX推進に舵を切っていることが背景にあると言えそうだ。

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