男性の育休取得促進の鍵は「管理職の働き方」と「マネジメント」の見直しか
「育児・介護休業法」の改正が2022年4月1日から順次施行されることとなり、男性の育休取得を促進する動きも活発化することが予測できる。パーソルキャリアが実施した調査結果によると、「将来、自身の育休取得を希望する男性」は80%、「将来、パートナーの育休取得を希望する女性」は68.9%という結果だった。また、育休取得をしなかった男性からは「当時の業務状況では休暇取得が難しかった」という声もあがり、男性の育休取得が促進されない要因には、周囲の理解や職場環境に関する課題があることが浮き彫りになったという。これを踏まえ同社では、この課題の背景には、チームや部署単位での目標達成に対する意識の強さからくる「慢性的な長時間労働」や、若手上司の「マネジメント経験やスキル不足」などが関係しているとして、“管理職の働き方”や“マネジメント”における課題があるとの見方を示している。
プロジェクトを通じ、育休が取得しやすい風土づくりを目指す
そこで同社は、男性管理職に対する「男性育休推進 ワーパパ体験プロジェクト」の実施を決定した。本プロジェクトでは、男性管理職がプロジェクト実施期間中の約2週間、時間制約のある働き方を体験する「2週間17時退社チャレンジ」を中心に、育児中の家庭のリアルを体験する「オンラインワンオペ育児体験」や、育児中社員のリアルを知る「ワーパパ・ワーママ社員実態ヒアリング」などの取り組みを実施する予定だ。本プロジェクト期間に実施する各取り組み内容は、以下の通り。
●2週間17時退社チャレンジ
平日2週間のプロジェクト期間中は、17時までの通常業務の終了を必須とし、業務後にプログラムに参加する。時間制約のある働き方を体験し、「時間への焦りや苛立ち」、「やりたいことが思うようにできないジレンマや中途半端感」などを体感する。●オンラインワンオペ育児体験(プロジェクト期間中、4日間実施)
「パパ管理職」と、育児未経験の「チャレンジ管理職」がペアで参加。「パパ管理職」は、自身の家庭で一番忙しい平日夜の家事育児をワンオペで体験する。「チャレンジ管理職」は、オンラインでパパ管理職の様子を見守りながら、絵本を読むなど子どもの世話を行う。家事育児中のパパ管理職のサポートを通じ、育児体験をする。●ワーパパ・ワーママ社員実態ヒアリング
プログラムの参加者が、育休取得経験を持つパパ社員や、育児時短で働くママ社員、管理職ママ社員など、育児経験のある社員の赤裸々な声を聞くためのヒアリングを実施。それぞれのキャリア観や、仕事と子育ての両立に関する考えを理解する。この他、プロジェクト開始のキックオフをはじめ、期間中の振り返り会なども実施していく予定だ。
同社はこれらの取り組みを通じ、参加した男性管理職に対して、自身のマネジメントスタイルの見直しを促進させたいとしている。また、社員の生の声を聞き、育休取得の意義やメリットを感じる機会を創出し、男女問わず育休が取得しやすい風土作りを加速させていく姿勢だ。