現場の声を事業計画に反映させるべく、「参加のしやすさ」に工夫を凝らす
ベネッセでは、顧客の課題や業務課題を「現場発」で解決するという組織風土を重んじ、その時代背景に応じた課題解決のために、社内提案制度を取り入れてきた。また、中期経営計画に「コア事業の進化」および「新たな成長に向けた新領域への挑戦」を掲げ、中長期での持続的成長を目指している。今回開始する「B-STAGE」は、同社の課題解決に向けて恒常的な取り組みが行えるよう、従来の社内提案制度をリニューアルしたもの。経営システムに組み込んだ、新たな社内提案制度となる。
同制度は、現場社員の多様な「問題意識」や「アイデア」に焦点をあて、経営と現場が一体となって取り組むことを狙いとしている。そのため、社員が参加しやすく、モチベーションも高まるよう、制度設計にも工夫をしたという。従来の制度とは異なる特徴は以下の通り。
●コーポレートスタッフ部門、事業戦略・事業基盤部門など、社内横断的な事務局体制でサポートを実施
●選考結果の次年度事業計画への反映
●グループの社員「全員」が「1名から」参加でき、複数案件の応募も可能
●社外メンバーを交えた「チーム」としての提案も可能
●提出書類はテキストだけの「ペーパー1枚のみ」で可能
●応募支援として、社員向けワークショップなど社内イベントを開催
●社長ほか経営陣が、社内動画で企画の重要性や積極的な応募の呼びかけを実施
同制度を導入した結果、同年6月14日にエントリーを開始してから応募締め切りの8月25日までに、1,782件の応募があったという。今後は9月以降に順次審査を実施し、選考結果は2022年1月を目処に次年度事業計画に反映させる意向だ。
変化の激しい時代においては、「現場」というミクロ視点から生まれた課題意識を、事業に反映させていくことも重要になるのかもしれない。社内の声を反映させやすい仕組みをどのように構築するのか、これからの経営を考える上でのポイントとなりそうだ。