基幹システムを全社で統一し、経営情報をリアルタイムで可視化
「ガソリン計量機の製造・販売」に加え、「給油施設の建設工事、メンテナンス」、「環境保全」なども手がけるタツノは、国内だけでなく、70以上の国と地域で事業を展開している。現在は、これまで物販を中心に展開してきた既存事業の維持・拡大を目的にサブスクリプションサービスを強化する一方で、「カーボンニュートラル社会」の実現に向けて、燃料電池車用の水素ディスペンサーの開発や、供給施設の普及に関する事業を強化しているという。このような状況のなか、同社がこれまで約30年にわたって使用している基幹システムでは、「経営」、「業務」、「IT」の3側面において、それぞれ「迅速な経営判断が困難」、「分散されたシステムに起因する、非効率な作業の増大」、「システムの保守切れと、運用・保守費用の負担」といった課題が顕在化していた。これらを解決するソリューションとして、今回オラクルが提供するSaaSをはじめとするサービスの利用を採用した。
同社では、企業活動の全業務プロセスを網羅するサービスを採用することで、「製品ライフサイクル情報」や、既存契約やサブスクリプションサービスの会計から顧客・契約管理までにわたる「経営情報」などの、リアルタイムでの可視化を実施した。全社の最適化により、「過剰在庫の解消」や「製品補充タイミングの適正化」だけでなく、「収益率の向上」や「資金繰りの改善」の効果も見込んでいる。
また、営業の分野では同社が扱う「モノ」と「サービス」に関する情報の一元管理を可能とすることで、在庫およびリソースをシステム上で把握。迅速な見積作成と提案を行い、機会損失の軽減につなげたい考えだ。
こうして、全社システムを先端テクノロジーが反映される製品に統合することで、セキュリティや拡張性を確保しつつ、運用・保守コストの低減も実現したいという。
変わりゆく時代に対応した価値を提供し続けるためには、事業内容に応じて柔軟に対応できるシステムを構築していく必要があると言える。未対応の企業は、機会損失を防ぐためにも、自社のDXを進めてみてはいかがだろうか。