株式会社給与アップ研究所は2021年6月17日、「従業員の目標設定」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2021年4月22日~23日で、経営者122名から回答を得た。これにより、コロナ禍における「事業計画」や「従業員の目標管理」に関する経営者の意識などが明らかとなった。
6割の経営者が「予算編成」と「従業員の目標管理」のバランス調整に苦労、先行き不透明なコロナ禍で

6割以上の経営者がコロナ禍での「予算編成」に苦労

日本における新型コロナウイルス感染症の流行から約1年半が経過するいま、経営者は予算や従業員の目標に関し、どのように感じているのだろうか。

はじめに、「コロナ禍における今年度の予算編成に苦労した、もしくは苦労しているか」と尋ねた。すると「かなり苦労した(している)」(30.3%)、「やや苦労した(している)」(33.6%)を合わせ、63.9%の経営者が予算編成に苦労していることが判明した。これに対し、「あまり苦労していない(しなかった)」(20.5%)と「全く苦労しなかった(していない)」(14.8%)を合わせた割合は35.3%だった。
6割の経営者が「予算編成」と「従業員の目標管理」のバランス調整に苦労、先行き不透明なコロナ禍で

「従業員の目標設定」においても、経営者の6割以上が苦慮

続いて、「コロナ禍における従業員の目標設定に苦労した、もしくは苦労しているか」を尋ねると、「かなり苦労した(している)」が24.6%、「やや苦労した(している)」が40.2%に。先程と同様に、合わせて64.8%の経営者が、従業員の目標設定にも苦慮していることが判明した。
6割の経営者が「予算編成」と「従業員の目標管理」のバランス調整に苦労、先行き不透明なコロナ禍で

コロナ禍では、従業員が目指す適切な目標設定も難しい傾向に

また、前の設問で「わからない」とした回答者以外に、「コロナ禍で従業員に対しての適切な目標設定として、馬に例えるならば『鼻先に人参をぶら下げる』距離の設定(目標設定)が難しいか」と尋ねた。その結果、「かなり難しい」が25.8%、「やや難しい」が46.7%となり、あわせて72.5%が「難しい」と感じていることがわかった。一方、「あまり難しくない」は20%、「全く難しくない」は7.5%で、「目標設定は難しくない」とした割合は3割に届かなかった。先行き不透明な状況では、「従業員のモチベーション維持」と「目指すべき目標の設定」のバランス調整に悩む様子がうかがえる。
6割の経営者が「予算編成」と「従業員の目標管理」のバランス調整に苦労、先行き不透明なコロナ禍で

6割以上が「目標までの距離が遠い=高すぎる」と回答

最後に、同じ対象者に「従業員に対しての適切な目標設定(馬に例えると『鼻先に人参をぶら下げる』距離設定)は遠い・または近いか」を尋ねた。すると、「距離が遠い(目標設定が高すぎる)」は12.5%、「少し距離が遠い(目標設定が少し高い)」は49.2%となり、合計61.7%が「目標設定は高くなっている」と考えていることが判明した。
6割の経営者が「予算編成」と「従業員の目標管理」のバランス調整に苦労、先行き不透明なコロナ禍で
先行きが不透明なコロナ禍においては、予算編成と従業員の目標設定に難しさを感じている経営者は多いだろう。手探りになりがちな状況だが、5年後10年後の経営も考え、目先だけではなく中・長期スパンで適切な判断をしていきたい。

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