アラームボックス株式会社は2021年2月15日、「既存顧客の与信管理及び企業調査の実態」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2021年2月3日~4日で、取引先の与信管理や企業調査を行ったことのある経営者・役員・会社員111名から回答を得た。これにより「企業が取引先の信用リスクをどう把握しているか」や「コロナ禍による危機意識の変化」などが明らかとなった。
6割以上がコロナ禍で「取引先の倒産前兆や経営危機の察知は難しくなった」と回答。企業の与信管理に関する実態とは

「与信管理や企業調査」を定期的に行っている企業は3割未満

新型コロナウイルスの影響により、資金繰りが悪化する企業もあり、顧客の将来性を予測する信用リスク把握は重要度が増している。こうした状況のなか、企業の与信管理はどのように行われているのだろうか。

はじめに、「既存顧客との取引において、リスクヘッジのために与信管理や企業調査を行っているか」と尋ねたところ、「一切行っていない」が9.1%、「ほとんど行っていない」が20.7%、「たまに行っている」が40.5%、「定期的に行っている」が27.9%となった。現状、定期的に与信管理や企業調査を実施しているという企業は、全体の3割に満たない少数派であることが判明した。
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与信管理や企業調査を行っていない理由は「社内の体制が整備できていない」がトップ

次に、「一切行っていない」および「ほとんど行っていない」と答えた人に、「与信管理や企業調査を行わない理由」を尋ねた。すると、最も多かったのは「社内で与信管理や企業調査を行う体制がない」で、36.4%が回答している。以下、「情報収集に時間や手間がかかる」(24.2%)、「既存取引先の管理までする余裕がない」(18.2%)が上位に続いた。
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7割以上が「取引先の経営危機を検知する難しさ」を感じた経験あり

続いて、「既存取引先の倒産前兆や経営危機を察知することの難しさを実感した経験があるか」を尋ねたところ、「非常にある」が24.3%、「少しある」が51.4%で、合計75.7%が取引先の危機を事前に察知する難しさを感じているようだ。一方、「あまりない」は16.2%、「全くない」は3.6%という結果だった。
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コロナ禍の先行き不透明感から「取引先の経営状況の把握」はより困難に

続けて、「経営危機の察知は難しい」と回答した人に、「2020年4月から現在までのコロナ禍の中で、既存取引先の倒産前兆や経営危機の察知を難しいと感じた経験があるか」を尋ねた。すると、「非常にある」が22.4%、「少しある」が42.1%と、合わせて64.5%が「ある」と回答した。
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84.7%が「コロナ禍でのリスクヘッジの重要性」を再認識

最後に、「コロナ禍での既存顧客との取引において、リスクヘッジのために与信管理や企業調査をきちんと行うことは重要だと思うか」を尋ねたところ、「非常に思う」が39.7%、「思う」が45%となり、その合計は84.7%にも及んだ。
6割以上がコロナ禍で「取引先の倒産前兆や経営危機の察知は難しくなった」と回答。企業の与信管理に関する実態とは
今回の結果から、「定期的な与信管理や企業調査」を実施できている企業は少ないものの、コロナ禍でその重要性を改めて実感していることが明らかとなった。コロナショックのような先行きが不透明な状況でも、既存顧客の将来性や信用状況を把握し、経営リスクを未然に防ぐ体制づくりに努めたい。

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