BIGLOBE株式会社は「悪天候時の出社に関する意識調査」を2019年12月23~25日に実施。2020年1月に結果を発表した。調査対象は東京23区に電車で通勤する、20~50代の男女1,000人。交通機関に影響が出るような悪天候時の出社について、従業員や経営層・人事の意識が明らかになった。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答

6割強が悪天候でも出社し、通勤時間は約2倍に

1年以内に交通機関に影響が出る悪天候時に出社したことがあるかを聞いたところ、「出社したことがある」との回答が62.1%となった。また、15.5%が「天候が回復してから出社した」と回答していることから、全体の7割以上が悪天候時に出社していることがわかる。一方、「出社したことがない」は22.4%にとどまっている。

また、「悪天候の際に出社したことがある」と回答した人に、その時かかった通勤時間を尋ねると、通常時は平均53.6分に対し悪天候時は平均102.3分かかったことがわかった。約2倍の通勤時間を要していることから、悪天候時には通勤の負担が倍増することがうかがえる。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答

悪天候でも出社する理由の第1位は「出社することは当然」

続いて、「悪天候時に出社した理由」を尋ねたところ、「悪天候時でもどうにかして出社するのが当然だと思ったから」と回答した人が32.6%で最多となった。次いで「重要な仕事があったから」が31.1%、「上司や同僚が出社するだろうと思ったから」が22.5%と続いた。

この回答を年代別にみると、50代で「悪天候でもどうにかして出社するのが当然だと思ったから」(44.1%)が突出しているのに対し、30代では「重要な仕事があったから」(35.8%)が1位になるなど、年代による傾向の違いも垣間みられる。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答

約4割の会社に「悪天候時の出社に関するルールや方針がない」

さらに、交通機関に影響が出るような悪天候時の出社に関して、ルールや方針があるかを質問すると、「ルールや方針はない」が42.3%で最多回答となった。一方で、「ルールや方針があり、運用されている」は33.8%となった。事前に悪天候を想定した出社ルールを整備しているのは3社に1社程度という結果だ。そのほか、14.4%が「わからない、知らない」と回答しており、悪天候に対応したルールが浸透していない企業もあることが推測できる。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答

在宅勤務やリモートワークできる体制を求める社員が多数

回答者のうち経営者を除く社員988人に対して「悪天候時にどのようになれば無理に出社せずに済むと思うか」を質問した。その結果、「会社から在宅指示が出る」が61.8%で最多となった。次いで「非常時におけるリモートワーク体制の整備」が41.7%、「就業規則で非常時における出社ルールを明確化する」が31.9%となった。悪天候時に、在宅勤務やリモートワークをできる体制が、社員にとっては望ましいようだ。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答

経営層と人事担当者の9割以上が「悪天候時に無理な出社は不要」と考えている

一方、経営層と人事担当者50人を対象に、悪天候時に社員を無理に出社させなくていいと思うかを聞いた。すると、「そう思う」が66%、「ややそう思う」が30%という結果だった。悪天候時に無理をともなう社員の出社を望んでいない経営層と人事担当者が96%にものぼった。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答

「経営層・人事」と「社員」で悪天候時の出社に対する意識にギャップが

「悪天候時に無理な出社は不要」と回答した経営層・人事担当者48人に理由を尋ねたところ、「社員の怪我や体調不良が心配だから」が77.1%、次いで「社員に無駄な時間を使わせるから」が52.1%という結果。先の質問で「悪天候時でも出社するのが当然だ」と回答した50代を中心とする社員と、経営層・人事担当者の間に、意識のギャップが生じていることが明確になった。
悪天候時の出社に対し、経営層・人事の9割超が「無理な出社は不要」と回答
悪天候時には在宅勤務やリモートワークを取り入れることにより、通勤時間の増加による時間ロスやストレス、怪我などのリスクを軽減できる可能性を高められる。業務効率や生産性の向上のためにも、悪天候時に無理をして出社する必要がないという出社ルールを採用してみてはどうだろうか。

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