エン・ジャパン株式会社は2023年5月31日、2024年に卒業する学生を対象とした「就活状況」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2023年5月8日~14日で、同社が運営するスカウトサービスを利用する2024年卒業予定の大学生および大学院生(以下、24卒生)735名より回答を得ている。これにより、2024卒生の5月時点での内定企業数や内定決定後の就活の有無などが明らかとなった。
内定承諾の決め手はどこにあるのか? 24卒生の8割以上が5月時点で「内定取得」も、そのうち半数以上が「就活を継続」

内定企業数は「1~5社」が7割以上、「0社」は2割未満に

コロナ禍を経て採用活動のオンライン化が進み、人口減少をたどる現在では、企業の若手人材に対する採用意欲も増しており、採用は早期化しているという。では、実際に2024年卒(24卒)の学生は、どの程度就活が進んでいるのだろうか。

はじめに同社は、「現在(調査時点)の内定企業数」を尋ねた。すると、「1~5社」が76%、「6~10社」が6.5%、「11~20社」が0.4%、「21社以上」が0.1%と、5月中旬時点で内定を取得している人は合計83%にのぼった。一方で、「内定はまだない」は17%だった。
現在(調査時点)の内定企業数

「就活を終了」した人もいる一方で「内定取得後も就活を継続」する学生が半数以上

次に同社は、「すでに内定を取得している」とした人を対象に「現在(調査時点)の内定承諾状況」を尋ねた。その結果、「すでに内定承諾をして就活を終了した」が48%、「すでに内定承諾をしているが就活は続けている」が19.1%、「まだ内定承諾はしていない」が32.9%となった。すでに内定を取得しながらも就活を継続している人は52%と、半数以上いることが判明した。
現在(調査時点)の内定承諾状況

内定承諾者の2人に1人が「サマーインターンまで」に接点のある企業を選択

続いて同社は、すでに内定承諾をした学生を対象に、「内定承諾をした企業と最初に接触した期間はいつか」を尋ねた。すると、「2022年3月以前」(15.6%)、「2022年4月~6月」(16.5%)、「2022年7月~9月」(21.2%)の合計は53.3%だった。半数以上が「2022年9月まで」と回答し、サマーインターンまでに接点を持った企業に内定承諾していることがわかった。
内定承諾をした企業と最初に接触した期間はいつか

内定承諾の決め手は「事業内容」や「給料・待遇」の魅力が上位に

さらに同社は、前設問と同対象者に「内定承諾の決め手」を尋ねた。その結果、最も多かったのは「事業内容が魅力的だから」(72.6%)で7割を超えた。以下、「給料や待遇が魅力的だから」(59.9%)、「キャリアの選択肢が広がる経験ができそうだから」(36.1%)と続いた。
内定承諾の決め手

志望業界・企業の決定は「2022年中」が半数以上に。就活の早期化が顕著に

最後に、同社が全体を対象に「志望業界や志望企業を絞った時期」を尋ねると、「2023年1月~3月」(33.3%)が最も多かった。また、「2022年3月以前」(11.4%)、「2022年4月~6月」(5.3%)、「2022年7月~9月」(9.4%)、「2022年10月~12月」(25.4%)の合計は51.5%で、2022年12月までに志望する企業・業界を絞った学生は半数を超えた。このことから、就活の早期化がうかがえる。
志望業界や志望企業を絞った時期
本調査結果から、5月中旬時点で「内定がある」とした学生は8割を超え、そのうち「内定を取得しながらも就活を継続している」とした学生は半数以上いることがわかった。また、25卒の採用から“採用直結型インターンシップ”が解禁されたことも踏まえると、採用の早期化はより加速すると予測される。今後、人材獲得を目指す企業では、他企業の動向を追いながら自社の採用計画を整えていくことが重要になるだろう。

この記事にリアクションをお願いします!