株式会社学情は2023年5月19日、「2024年卒採用」に関して、企業・団体の人事を対象にした調査結果を発表した。調査期間は2023年4月24日~28日で、計529名より回答を得た。これにより、2024年卒(以下、24卒)の採用において、企業が感じている難易度が明らかとなった。
24卒の就活スケジュールも早期化傾向。5月時点で母集団形成などの「難易度が高い」と感じている企業は8割以上に

8割以上が5月中旬時点で「難しい」と回答。母集団形成に苦戦の声

内閣官房による「就職・採用活動に関する要請(※)」では、24卒採用の採用選考活動開始日は、卒業・修了年度の6月1日以降と定められているが、5月中旬時点で各企業では採用の難易度をどのように捉えているのだろうか。はじめに学情は、「24卒採用の難易度について、どのように感じているか」を尋ねた。すると、「難しい」が47.3%、「やや難しい」が34.2%で、合計は81.5%と8割を超えた。

自由回答では、「3月の広報解禁時には企業探しを終えている学生が多く、昨年と同時期の採用広報では母集団形成ができない」、「すでに複数の内々定を持っている学生が多く、内々定を出しても承諾に至らない」など、早期化や売り手市場を指摘する声が寄せられたという。

ほかにも、「コロナ禍でリアル開催イベントの出展を見合わせていたので、ノウハウがなく、いざリアルの場で母集団形成をしようと思っても効果的なアピールができない」や、「ここ数年オンライン選考が大半だったので、リアル面接で学生をグリップするスキルが低下している」といった声もあがったとのことだ。
2024年卒採用の難易度をどのように感じているか

5割が「20代通年採用」を実施。「検討中」も2割を超える

次に同社は、「24卒採用の難易度が高いことを受け、『20代通年採用』を検討しているか」を尋ねた。その結果、「すでに実施している」が50.1%、「検討している」が23.2%で、合計73.3%となった。7割以上が「20代通年採用」の導入や導入検討をしていることが明らかとなった。
2024年卒採用の難易度が高いことを受け、「20代通年採用」を検討しているか
本調査結果から、24卒採用の本選考前の5月中旬時点で、既に「難易度が高い」という人事担当者が8割以上であることが明らかとなった。また、就活本選考時期の前にインターンシップに参加している学生が多く、2024年卒の就活スケジュールが前年より早期化しているという実態もうかがえた。確実な人材確保のためにも、学生への魅力付けや学生の動機の確認など、今後の選考における工夫が求められそうだ。

この記事にリアクションをお願いします!