
“経験者採用”と“新卒採用”の数は、5社に1社が「同割合」を計画
厚生労働省では2021年4月1日より、従業員数301名以上の企業において、正規雇用労働者の中途採用比率の公表を義務化した。また、DXを推進するデジタル人材の確保など、企業では経験者採用を増やす動きが年々加速している。経団連は、採用においてこれまで一般的に使用されてきた「中途採用」の呼称を「経験者採用」に改める方針であり、今後は経験者採用の重要性が増していくと予測される。そうした中、2023年度の採用活動において、企業では経験者採用をどのように計画しているのだろうか。はじめに学情は、「今年度(2023年度)の採用活動における、経験者(中途)採用と新卒採用の割合」を尋ねた。すると、「経験者5:新卒5」が21.8%と最も多く、5社に1社は経験者採用と新卒採用を同割合で計画していることが明らかとなった。
「同割合」以外の項目を見ると、「経験者<新卒」とした企業は計46.6%、「経験者>新卒」とした企業は計31.1%だった。

「経験者採用の人数を前年度より増やす予定」が4割に迫る
次に同社は、「経験者採用の人数は、前年度と比較して変更するか」を尋ねた。その結果、「前年度よりも増やす予定」が38.5%となり、約4割の企業が経験者採用の人数を増やす予定であることがわかった。また、「前年度と特に変更なし」は41.9%で、「前年度よりも増やす予定」と合わせると80.4%となった。約8割の企業が、2022年度の採用人数と同程度、もしくはそれ以上での採用を予定していることから、経験者採用は拡大傾向にあることがうかがえる。

経験者採用の人数を増やす年齢層は「20代後半」が最多
続いて同社は、「経験者採用において、採用人数を増やす年齢層」を尋ねた。すると、「20代(26~29歳)」が77.2%と最も多く、以下、「30代」が56.1%、「20代(~25歳)」が43.9%と続いた。20代を中心とした若年層の採用を増やしたいという意向をもつ企業が多いようだ。
20代を対象とした経験者採用は「業界・職種経験を問わない」が7割超
また、同社は本調査と同様の期間に、「経験者採用における採用対象」に関する調査(対象:企業・団体の人事担当者444名)も実施している。その中で、「20代を対象とした経験者採用において、採用対象者に求めること」を尋ねたところ、最も多かったのは「社会人経験は求めたいが、業界/職種の経験は問わない」で、55.3%を占めた。また、「社会人経験を問わない」との回答も15.2%で1割を超えた。20代を対象とした経験者採用においては、経験よりもポテンシャルを重視する傾向にあるようだ。