2022年の5月病経験者は3割以上に。年齢や勤続年数を問わずに発症か
4月より新年度が始まり環境が変化することで、5月頃に疲れやすさや不眠など心身の症状が現れることを、俗に「5月病」と呼ぶ。就職や異動などで新しい環境となったことにより、5月病を発症する人も多いという。そのような中、2022年に5月病を経験した人はどれくらいいるのだろうか。なお、本調査では、ゴールデンウィーク明けに「職場に行きたくない」、「気力がない」など体調に変化が現れた人を「5月病になった人」と分類している。積水ハウスははじめに、「2022年に5月病になったか」を尋ねた。すると、「ならなかった」が53.7%と半数強を占めたものの、「なった」は35%と3割以上いることがわかった。
また、「5月病になった」との回答者に、「どのような変化があったか」を尋ねると、「職場に行きたくない」(50.3%)が最も多く、以下、「気力がない」(45%)、「気力が落ち込む」(41.3%)と続いた。
コロナ禍前後で変化した5月病の原因は「役職や仕事内容の変化に対する悩み」
新型コロナウイルス感染症流行前の2019年以前と、2022年と比べると、5月病の発症率に差はあるのだろうか。同社は、「5月病になった」とした回答者に「その原因と感じていること」を尋ね、2019年以前になった人と2022年になった人の割合を比較した。その結果、コロナ禍前後ともに「出社のストレス」が最多で、2019年以前は47.1%だったのに対して2022年は42.3%と、4.8ポイント減少した。このことから、同社では「在宅勤務やフレックス勤務が広がり、柔軟な働き方が可能になったり通勤時間の混雑が緩和されたりして、出社の負担が軽減された人もいるのではないか」と推察している。また、コロナ禍前後で最も変化が大きかったのは、「役職や仕事内容の変化に対する悩み」で、2019年以前は14.3%だったのに対して2022年は24.3%と、10ポイント増加している。コロナ禍で出社やゴールデンウィーク期間中の生活の変化などが緩和された分、仕事上の変化に焦点が当たったと考えられる。
他方で、2位はコロナ禍前後とも「人間関係の変化や悩み」、3位はコロナ禍前が「ゴールデンウィーク期間中の生活習慣の変化」、コロナ禍後は「早起きのストレス」となった。このことから同社は、「5月病は新入社員がなりやすいというイメージがあるが、誰しもがなる可能性がある」との見解も示している。
「生活の変化」も5月病の原因に。新型コロナの5類移行で今年は大きく変化か
次に同社は、「2022年に5月病になった人」に対し、「2021年以降に、就職や結婚など仕事やプライベートに関わる生活の変化があったか」を尋ねた。すると、「変化はない」は29%だったのに対し、「変化があった」は42.4%と、13.4ポイント上回る結果となった。厚生労働省は、2023年5月8日から新型コロナの感染症法上の位置付けを引き下げ、5類に移行する方針を示している。例年の生活変化に加えて、新型コロナの5類移行が重なるため、今年はさらに5月病の罹患者が増えるのではないかと予測される。