「現在の仕事を辞めたい・転職したい」と考える新卒・若手社員は6割に迫る
20代~30代の若者は「Z世代」や「ミレニアル世代」と呼ばれ、その価値観の違いから、教育する立場である上司層はマネジメントに難しさを感じることもあるだろう。入社3年以内の若手社員は、現職や現在の働き方についてどのような考えをもつのだろうか。なお、本調査の「新卒・若手社員」とは、「新規卒業者または卒業後3年以内に入社した新卒の人」および「新卒入社してから3年未満の若手社員」を総称したものとしている。はじめに識学は、新卒・若手社員を対象に、「現職を辞めたい、もしくは転職したいと思っているか」を尋ねた。すると、「転職したいと考えている(すでに転職活動を始めている)」が18%、「会社を辞めたいと思っている(いつ退職するか明確に決めている)」が12%、「今すぐにではないが辞める・転職することを検討している」が28.7%と、合計58.7%が現在の会社を「辞めたい・転職したい」と考えていることが明らかとなった。
「辞めたい・転職したい」とした回答者に「その理由」を尋ねると、「昇給の見込みがないから」が最も多く、以下、「休みが取りづらいから」、「成長や昇進の見込みがないから」が続いたという。
「仕事重視」の新卒・若手社員は2割程度にとどまる。上司とのギャップは大きく
次に、新卒・若手社員と上司それぞれに「仕事とプライベート、どちらを重視しているか」を尋ねた。その結果、新卒・若手社員では、「仕事を重視している」(6%)と、「どちらかと言えば仕事を重視している」(18.7%)の合計は24.7%だった。一方で、「プライベートを重視している」(24%)と、「どちらかと言えばプライベートを重視している」(51.3%)の合計は75.3%と7割以上を占めた。
一方、「プライベートを重視している」(30.7%)と「どちらかと言えばプライベートを重視している」(24.7%)の合計は55.4%と、新卒・若手社員と比較すると大きく差が開いた。現在の新卒・若手社員は、上司層よりもプライベートの重視度が高いことがうかがえる。
新卒・若手社員と上司では「働き方」や「接し方」の考えに差も
続いて同社は、新卒・若手社員を対象に、「勤務先での働き方・上司の接し方で“してほしいこと/してもよいこと”」を尋ねた。すると、「やりたい仕事であれば休日出勤などしてもよい」(20.7%)、「やりたい仕事であれば残業してもよい」(19.3%)が上位にあがった。前設問で、「新卒・若手社員はプライベートを重視する傾向が強い」とわかった一方で、“やりたい仕事であれば”という条件が付く場合には、必ずしも「休日は働きたくない」、「残業したくない」と考えているわけではないことがうかがえる。このことから同社は、「今の新卒・若手社員は、仕事に対する意欲が著しく低いとは言えない」との見解を示している。
また、4位の「飲み会に参加したくない」(25.3%)については、新卒・若手社員側も「もっとも飲みに誘ってほしい」との回答者は3.3%にとどまり、飲み会に関する考え方は双方で意見が合致していることがわかった。