株式会社ソウルウェアは2022年12月19日、新型コロナウイルス感染症の流行が収束しつつある状況下での就労状況を探るべく実施した「アフターコロナにおける企業の働き方」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年11月17日~24日で、20代~60代以上の一般会社員(公務員を除く)543名より回答を得た。これにより、2021年12月の前回調査と比較した、テレワークの実施率や課題などが明らかとなった。
アフターコロナの働き方は「テレワーク」が減少傾向か。オフィスと同環境の整備を求める声が多数に

テレワークの実施率は減少した一方で、不満を抱える人は増加傾向に

新型コロナの感染拡大を契機の一つとして、テレワークが新たな働き方として定着しつつあるが、企業での実施割合は前年と比べ変化はあるのだろうか。

ソウルウェアははじめに、「現在、テレワークをしているか」を尋ねた。すると、「テレワークしている」が28%で、前年調査の同結果(32.8%)から、4.8ポイント減少した。また、「以前テレワークしていたが今はしていない」が17%で、前年調査と比べ4ポイント上昇したことからも、テレワークの実施率が減少傾向にあることがうかがえる。
現在テレワークをしているか
続いて、同社は「テレワークをしている」と回答した人に、「テレワークに対する不満はあるか」を尋ねた。その結果、「かなり不満がある」が25%、「やや不満がある」が41%で、合わせて66%が不満を感じていることがわかった。前回調査の同回答(59%)と比べて7ポイント増えたことから、テレワークの実施率は減少する一方で、不満を抱える人は増加傾向にあると推測できる。
テレワークに対する不満はあるか

課題は“テレワーク環境”にあり。精神的要因は減少し、快適性を求める声も

次に、同社は「自身が感じるテレワークの課題」について尋ねた。その結果、1位が「通信環境が不安定で仕事がしづらい」(35.5%)、2位が「社内の評価制度が整っていない」(32.9%)、4位が「自宅に仕事をする場所がない」(28.4%)で、“自宅で業務を行う際の環境”に関する項目が上位を占めた。他方で、3位に「勤務とプライベートの線引きがあいまいになる」(30.3%)が入ったものの、その他の精神的な要因は下位にまとまった。

前回調査では、「やりがいを感じづらい」、「孤独を感じる」など精神的な要因が上位を占めた一方で、今回はテレワークでもオフィスと同様の「快適に働ける環境」を求める声が多くなったという。

また、「会社から指定されているツールがテレワークに対応できていない」との回答が、前年の12%から28%に増加しており、同社は「テレワークの不満解消には、働き方に見合ったツール選定が必要なのではないか」と推測している。
自身が感じるテレワークの課題

「勤怠管理」はテレワークの有無を問わずITツールへシフトか

続いて同社は、テレワーク実施の有無に関わらず「勤怠の記録方法」について尋ねた。すると、1位が「タイムカード」(24.9%)、2位が「クラウドツール」(20%)となったほか、3位は前回調査の「パソコンの起動時刻」から変わり「自社ツール」(17%)となった。

前年調査時は、「紙管理」や「メール報告」などアナログな管理方法が全体の約6割を占めていたものの、2022年の調査ではITツール類が全体の約6割にのぼった。直近1年で、ITツールへの移行が進んだと推測できる。
勤怠の記録方法

テレワーク下では「勤怠管理」を課題視する人の割合が高い結果に

次に、先の質問で「現在、テレワークをしていない」と回答した人に、「テレワークを実施する場合、課題となりそうなこと」を同社が尋ねた。その結果、「業務進捗や情報共有」(24.6%)や「勤怠管理」(21%)が上位となった。
テレワークをする場合の課題
また、現在テレワークをしている人のうち「社内のITツールがテレワークに適していない」と答えた人に対し、「テレワーク下でのITツール利用について、どの業務に課題を感じるか」を複数回答で尋ねた。すると、上位は「交通費や経費の精算」(62%)、「社外との書類のやりとり」(58%)、「社内での書類のやり取り」(50%)で、4位に「勤怠管理」(36%)が入った。

これら2つの結果から、テレワークの有無に関わらずITツールの利用について、「勤怠管理」を課題に感じている人の割合が高いと考えられる。
テレワーク下のITツールは、どの業務に課題を感じるか
本調査から、前年よりもテレワーク実施率が下がった一方で、「自社のツールがテレワークに適していない」といった不満を抱える人は増えていることがわかった。自社の働き方に合ったツールの導入や選択が、テレワーク不満解消につながる有効手段の一つとなるかもしれない。

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