「幸福感」・「元気感」ともに関西が関東よりも高い結果に
国際連合が2022年に発表した「第10回 国連の世界幸福度レポート」によると、日本は54位(G7加盟国最下位)という結果になり、生活者自身が幸福を実感していない現状が明らかとなった。こうした中、企業におけるウェルビーイングや従業員エンゲージメントなどにも影響すると考えられる「働く人々の幸福感」に、地域差はあるのだろうか。まず博報堂DYホールディングスが、関東・関西の対象者に「幸福感(日頃から、自身は幸せに暮らしていると思うか)」について尋ねた。すると、関西では82.5%、関東では76%となり、関東より関西が6.5ポイント高かった。
また、「元気感(日頃から、自身は元気に過ごしていると思うか)」についても聞いたところ、関西では77.6%、関東では71.2%と、幸福感と同様に関西が関東より6.4ポイント高い結果となった。
性別・年齢・職業別の比較では「関西の女性(20~30代)」が高い数値に
次に同社は、各エリアで性別・年齢・職業に分けて「幸福感」を比較している。すると、性別では、「関西の女性」が87.3%と最も高かった。年齢別では、「関西の30代」が85.7%で最も高く、次いで「関西の20代」が85.1%だった。職業別では、「関西の会社員」が81.8%だったのに対し、「関東の会社員」は74.2%となった。「幸福感」については、性別・年齢・職業全てにおいて、関西が関東を上回った。「本音」・「共鳴」・「シェア」の全てのスコアで関西が関東を上回る
次に同社が、「他者との協調性と他者の幸福」、「人並み感」、「平穏な感情状態」の観点からそれぞれの幸福度を数値化した「協調的幸福感尺度」を使って、各属性の幸福感を調べたところ、「関西の女性」をトップに、関西のあらゆる属性が関東を上回る結果になったという。さらに、「協調的幸福感尺度」を「本音項目(自由に本音で話しあった方が楽しい)」、「共鳴項目(日々、楽しく笑える場面がある)」、「シェア項目(くだらないことでも人と話をする時間は楽しい)」の3項目に集約して分析した。すると、全項目において関西が関東のスコアを上回った。
本音・共鳴・シェアの3項目において「はい」と答えた割合は、関西が関東より高く
最後に同社は、「本音」、「共鳴」、「シェア」の項目で、全てに「はい」と答えている人の割合を関東・関西で比較した。その結果、「関西」が57.7%、「関東」が49.7%となった。この結果と、「幸福感」および「元気感」との関連性を同社が分析すると、関東・関西ともに3項目全てに「はい」と回答した人は、「幸福感」、「元気感」ともに高い傾向があったという。