業況が厳しい事業主への支援は、規模を縮小しながら2023年3月まで実施へ
新型コロナウイルスの流行拡大による事業活動への影響を受け、厚労省では、休業や営業時間の短縮などの要請に協力した飲食店等の事業主と労働者を対象に、「雇用調整助成金等」および「休業支援金等」の特例措置を講じている。今回の発表では、12月以降未定であった同特例の延長をせずに、通常制度に移行する方針であることが明らかとなった。ただし、業況が厳しい事業主に対しては、一定の経過措置(支給要件の緩和、日額上限・助成率を通常よりも高率とする等)を設けるという。このうち「雇用調整助成金等」について、2022年11月末までは、大企業および中小企業に日額最大8,355円を原則的な措置として給付(助成率は解雇の状況によって異なる)としている。この給付額は同年12月~2023年3月まで同様だが、12月以降は助成率が中小企業で「4/5」から「2/3」に、大企業で「2/3」から「1/2」に引き下げとなる。また、「地域特例」や「業況特例」は12月以降原則的には廃止され、特に業況が厳しい事業主に対しては、同年12月~2023年1月は経過措置として日額最大9,000円の支給に変更となる(2023年2月~3月については給付なし)。
また「休業支援金等」については、同年11月末までの原則的な措置として、大企業(ただし、シフト制労働者等のみ)および中小企業は日額最大8,355円を給付としており、地域特例に該当する場合は日額最大8,800円を給付している。しかし、同年12月~2023年3月の原則的な措置では、最大給付額に変更はないが、助成率が「8割」から「6割」に縮小される。また、「地域特例」の給付はなくなり、経過措置もとられない予定だ。
経済活動が回復しつつある背景から、今後徐々に特例措置等が解除され通常制度へと移行していくかもしれない。今後も政府による支援や助成の最新情報を確認し、適切に活用していきたい。