「育休取得のしやすさ」は個人・企業でギャップなし。一方で個人の取得意向とはギャップも
「改正育児・介護休業法」により、現行の育休とは別に、子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得可能な「産後パパ育休(出生時育児休業)」や、子どもが1歳になるまでの育休を分割して2回取得できる「育児休業の分割取得」が、2022年10月より施行される。これにより、個人・企業における「育休の取得しやすさ」の認識は変わるのだろうか。まず、パーソルキャリアが「自社での育休取得のしやすさ(現状)」について尋ねると、「取得しやすい」の回答率が個人・企業共に57.5%だった。取得のしやすさについての認識は、個人・企業間にギャップがないことがうかがえる。
しかし、個人に「育休の取得意向」を聞くと、「取得したい」が90%となり、「取得しやすさ」とは大きなギャップがあることがわかった。
育休取得の不安、個人は「収入の減少」、企業は「業務の引継ぎ」が最多に
続いて、同社は「育休取得にあたっての不安」について質問している。その結果、個人の上位は「収入の減少」が49.5%、「業務の引継ぎ」が48%、「昇進への影響」が34%となった。企業の上位は、「業務の引継ぎ」が43.5%、「収入の減少」が41.5%、「昇進への影響」と「人間関係の悪化」が共に30%だった。
「育休の分割取得」導入が「取得時の不安軽減につながる」と双方から期待の声
次に、同社が「『育休の分割取得』導入による取得のしやすさの変化」について調べている。すると、「取得しやすくなると思う」が個人では81.5%、企業では81%と、共に8割以上となった。あわせて、「不安が軽減されると思う理由」を聞くと、「仕事のブランクが短くなるので、能力や技術が落ちづらくなりそう」や「業務へのモチベーションを維持しやすくなりそう」といった回答があった。同社は、「分割取得が、育休後の職場復帰のしやすさに好影響を与えるのではないか」と予測している。
個人・企業共に7割以上が「育休取得率の高さが転職時の応募動機に影響する」と回答
続いて同社は、“転職意向のある個人”と“中途人材を求めている企業”に対して、「育休取得実施率の高さが、転職時の応募に影響すると思うか」を尋ねている。すると、「影響する」が個人では74%、企業では73.5%だった。転職先に求めるワーク・ライフ・バランス制度として「育休制度」が上位に
また、「転職先を選ぶ際に重要視するワーク・ライフ・バランス制度」について質問すると、個人では「リフレッシュ休暇制度」が45%、「リモートワーク制度」が41.5%、「育休制度」が40%だった。企業では「リモートワーク制度」が51.5%、「フレックス制度」が48.5%、「育休制度」が47.5%となり、転職時には個人・企業共に育休制度を重視していることがうかがえる。