
女性管理職比率が「0%」の企業が2割超など、1割未満の企業が6割以上を占める
2022年4月より、「改正女性活躍推進法」が従業員規模300名以下の企業にも適用されているが、実情として女性管理職はどの程度いるのだろうか。はじめにパーソル総研は、企業調査において女性管理職の実態を調べている。従業員規模50人以上の企業800社を対象に、各社の女性管理職の比率に基づいて、0%の企業を「フェーズI」、1%~10%未満を「フェーズⅡ」、10%~20%未満を「フェーズⅢ」、20%以上を「フェーズⅣ」とし、あてはまるフェーズについて尋ねた。すると、「フェーズI」が25.3%、「フェーズⅡ」が41.5%で、女性管理職の比率が10%未満の企業の合計は66.8%となった。
女性活躍推進における課題は「女性の昇進意欲がない」が最多
続いて、企業の人事・経営層に対し、「女性活躍を推進するうえで、感じている課題」について複数回答で尋ねると、「女性の昇進意欲がない」が42.4%で最も多かった。以下、「十分な経験を持った女性が不足している」が41.6%、「登用要件を満たせる女性が少ない」が40.8%と続いた。これらの課題は、フェーズ(女性管理職の比率)別に見ても、共通して課題感が高かったという。
「管理職意向保有者」の割合は「女性管理職比率」に関わらず横ばいに
また同社は、女性活躍が進んだ場合に、女性の管理職意向に変化はあるのかを探るべく、個人を対象に「管理職意向保有者」の割合を調べ、フェーズごとに回答を比較している。その結果、「フェーズI」が14.3%、「フェーズⅡ」が16.9%、「フェーズⅢ」が16.2%、「フェーズⅣ」が13.4%で、いずれのフェーズでも大きな差はなかった。組織内の女性管理職比率の高さと、管理職意向のある女性の割合は、相関していないことがうかがえる。
企業での残業対策は“管理的な施策”が多く、“組織的原因の改善施策”は少数に
次に同社は、「企業の実施する残業対策」と「管理職意向」に関連性があるのかを調べている。まず、経営・人事層に対し、「企業における残業対策」について聞いたところ、「退勤管理の厳格化、チェックシステムの導入」(70.5%)や、「ノー残業デーの設定」(45.8%)、「残業の原則禁止ないし事前承認制」(40.8%)といった、労働時間の上限を厳格に管理する施策は実施率が高かった。一方で、「人事評価への時間あたりでの成果観点の包含」(27.3%)や「残業削減のためのマネジメント層への研修」(29%)、「管理職の短時間勤務制度」(21.1%)といった、残業を生じさせる組織的な原因にアプローチするような施策の実施率は、2~3割程度と低いことがわかった。

残業に関する「組織的原因の改善」に努める企業は「管理職意向のある女性の割合」が高く
上記の結果をふまえて、同社は「組織的な残業対策」の実施有無と、管理職意向がある女性の割合との関連性を調べている。すると、「人事評価への時間あたりでの成果観点の包含」を実施している企業では、管理職意向がある女性の割合が、実施なしの企業の1.9倍だった。また、「管理職の短時間勤務制度」や「残業削減のためのマネジメント層への研修」を実施している企業では、同割合が2.6倍となった。
女性が知りたい転職先企業の「人的資本開示項目」は「男女別の平均賃金」や「女性管理職比率」
続いて、同社は個人を対象に、「転職先企業について知りたい主な人的資本開示項目」について尋ね、回答を男女で比較した。すると、女性では「男女別の平均賃金」や「女性管理職・役員比率」が高く、男性では「次世代経営者の育成計画」や「重要ポストの内部登用率」が高かった。