株式会社ドリームキャリアは2021年7月14日、2022年3月卒業予定の理系学生を対象とした「就職活動に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は2021年6月に実施されたもので、理系就活生203名から回答を得た。これにより、新型コロナウイルス感染拡大の状況下における理系就活生の動向が明らかとなった。
理系学生は「インターンシップ・選考」をどう捉えているか? アフターコロナでは「できれば直接訪問したい」と約7割が回答

学生が感じている、オンライン就活でのメリット・デメリットとは

コロナ禍においてオンライン採用の体制構築が進んでいるが、現在の課題はどのような点にあるのだろうか。

はじめに「オンライン就活でのメリットとデメリット」について尋ねた。すると、メリットは「移動時間やコストの削減」が94.9%でトップ、以降は「日程調整をしやすい」(79.6%)、「多くの企業セミナーに参加できる」(55.1%)が上位に続いた。一方デメリットは、「会社の雰囲気や社員の人柄がわかりにくい」が73.5%で最多となり、「相手とのコミュニケーションが難しい」(53.6%)、「得られる情報が限定的で、志望度を高めにくい」(41.3%)などと続いた。就活生は、「オンライン上で得られる情報量やコミュニケーションの難しさ」に悩みを感じていることが明らかとなった。
オンライン就活のメリット(左)とデメリット(右)

オンライン就活のメリット(左)とデメリット(右)

アフターコロナの「インターンシップ」や「最終面接」では、「対面形式」を希望する学生が多数

また、「コロナ禍が一定収束した状況下で、直接訪問とオンラインどちらを希望するか」を採用活動における機会別に尋ねた。すると、「直接訪問を希望する」で回答が多かった項目は「インターンシップ」(69.4%)と「最終面接」(76.5%)で、共に約7割という結果に。一方で「オンラインを希望する」で多かったのは「企業セミナー・説明会」(74.5%)、「1次~2次面接」(66.3%)だった。採用企業側とのコミュニケーションが特に重要になる「インターンシップ」や「最終面接」のフェーズは、できれば対面での実施を希望する理系学生が多いようだ。
アフターコロナでは直接訪問とオンラインどちらを希望するか

アフターコロナでは直接訪問とオンラインどちらを希望するか

エントリーシート提出社数とインターンシップ参加率の動向

次に、「インターンシップの参加状況」と「本選考のエントリーシートを提出した社数」についても尋ねた。集計結果によると、「インターンシップの参加率」は91.8%で、昨年の同調査より4.9ポイント増となった。背景として、前年度より各企業でのオンラインプログラムが充実したことが要因となったようだ。

また、「エントリーシート提出社数の平均」は13.7社だった。コロナ禍になったばかりの昨年は、混乱により学生の危機感が高まったためかエントリー社数が増加していたものの、22卒は以前と同水準程度に戻ったという。
インターンシップ参加率(左)とエントリー提出社数(右)

インターンシップ参加率(左)とエントリー提出社数(右)

内定承諾を決めたポイント、「社員の魅力」が順位を戻す

最後に、「内定承諾を決めたポイント」について尋ねた。するとトップは昨年と同様の「仕事内容」(15.5%)で、2位は「社員の魅力」が9.4%(昨年調査は5.5%で9位)となった。2位については、昨年度は数多くの企業説明会やイベントが急きょ中止となり、代替のオンラインイベントが準備できなかったことで順位が下がったものの、今年度はオンラインでの開催体制が整い、以前のように社風を伝えられるようになったため、順位を取り戻したと推察される。
内定承諾を決めたポイント

内定承諾を決めたポイント

22年卒の理系就職において、学生たちはオンラインで多数のインターンシップやセミナーへの参加が可能となっていたが、直接訪問と比べ「コミュニケーション不足や情報収集が難しい」と感じていた。採用活動の早期化が加速するなか、「適切なタイミングで、必要な情報を企業が発信できているか」が重要になってくるだろう。

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