9割が「ジョブ型雇用」を認知。よりメリットを実感しているのは?
職務内容にあてはまる専門性の高い人材を雇用する「ジョブ型雇用」が注目を集める中、企業はどのような意識を持っているのだろうか。はじめに、「ジョブ型雇用の認知度」を尋ねると、「知っている」と「聞いたことがある」の合計が全体で91%にのぼる結果に。企業別では、外資系企業が89%、日系企業では94%が認知していると判明した。ジョブ型雇用のメリット/デメリットは?
次に、「ジョブ型雇用のメリット/デメリット」を聞いた。まず、メリットは第1位が「専門スキルや知識を持つ即戦力人材を採用できる」で、外資系77%、日系72%となった。続いて「成果にコミットしてもらいやすい」が外資系65%、日系49%で2位となり、外資系が日系を16%上回る結果に。成果主義が主流の外資系と、多面的な視点で評価を行う日系の文化の違いを反映する結果と言えそうだ。ジョブ型での「採用のしやすさ」は五分五分
さらに、「ジョブ型雇用で採用はしやすくなるか」と尋ねると、全体で「とてもそう思う」(14%)と「ややそう思う」(32%)を合わせて46%が「採用しやすくなると思う」(外資系:48%/日系:42%)と回答した。「採用しやすくなる」とした回答者からは、「採用ターゲットがより明確になる」(外資系、旅行・レジャー)や、「候補者の強み、キャリア志向と会社のニーズ、育成の擦り合わせが行いやすい」(外資系企業、IT・通信)などの声があがった。
一方、「採用しやすいと思わない」とした回答者からは、「条件を満たす候補者が少ない場合は採用に時間がかかる」(外資系企業、IT・通信)、「母集団が少ないため」(外資系企業、製造業・工業)という意見が寄せられた。
4割が「採用コストが上昇」と回答。その理由とは
最後に、「ジョブ型雇用での全体的採用コスト」を尋ねた。すると、合わせて41%が「とても高くなる」(3%)、「やや高くなる」(38%)と回答。日系では「高くなる」が合計45%と、外資系の36%よりも9%高い結果だった。「コストが高くなる」とした回答者からは、「ポテンシャルよりも具体的に専門性の高い人材を求めることとなるため」(日系企業、金融)、「人材の取り合いになり、より条件のよい企業へ人材が流れていく」(日系企業、旅行・レジャー)などの声があがった。
また、「コストが低くなる」とした回答者からは、「ジョブ型雇用が浸透すれば、マッチングが容易になるため」(外資系企業、製造業・工業)、「人事担当者の採用工数が減少する」(日系企業、不動産)などの声が寄せられた。