「オンライン研修」と「集合研修」を上手に融合させるには
上記の【メリット/デメリット】に記したように、「オンライン研修」だけに限定してしまっては、デメリットを払拭することは難しい。そのため、最小限の集合研修もあわせて用いることで「オンライン研修」のデメリットを補うようにするとよい。つまり、導入を現時点で行うならば「オンライン研修」と「集合研修」のメリットを、うまく融合させることが最適である。たとえば、知識を教える研修や社員の意識を統一するための研修は「オンライン研修」のみで行い、実践練習や社員同士の交流、社員の疑問を解消するための研修は「オンライン+集合研修」で行う、といった工夫が必要である。そのため、次のような導入プランをおすすめする。
(1)録画教材で行う「オンライン研修」
知識を教える研修や社員の意識を統一するための研修には、録画された教材を用いた「オンライン研修」をおすすめする。メリットは上記に示したことに加え、社員が研修後に実践を繰り返す中で生じた疑問や不明点を、再度、繰り返し見返すことで理解度を高め、成長を早めることができる点にある。
ただし、社員が確実に受講したかどうかのチェックや、受講した内容がきちんと定着しているかどうかを確認するために、課題提出などをあわせて準備しておく必要がある。受講させただけでは、社員の成長は見込めないからだ。
(2)ウェブ会議システムで行う「オンライン研修」
実践練習や社員同士の交流、社員の疑問を解消することをともなう研修は、オンライン研修と集合研修を上手に組み合わせた研修づくりをおすすめする。
知識を教えたり、社員同士の交流、社員の疑問を解消したりすることは、「Zoom」といった双方向のやり取りができるウェブ会議システムを使えば、「集合研修」と遜色なく行える。しかし、設備を用いた実践練習については「集合研修」を行うしかないため、現場でしか実施できないことに絞る、短時間で行えるようにするなどの工夫が必要だ。
メリットは、リアルタイムで質問やディスカッションができる点と、研修を録画しておけば繰り返し見返すことができる点だ。
また、研修後に実践を繰り返す中で生じる各自の疑問や不明な点を解決するためには、ウェブ会議システムでのディスカッションの場を設定することが必要である。そうすることで、社員の成長を促すことになるからだ。
まとめ
コロナ禍によりテレワーク環境が整ったことで、ウェブ会議や「オンライン研修」などを活用している企業が増え、「社員の成長スピードが増した」、「業績が伸びた」、「人材の確保が容易になった」などの報告が多くみられる。是非、研修においてもオンラインを導入し、上手に用いることで社員の成長に役立ててほしい。
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