中小企業で高まるテレワークニーズと導入が進まない背景
去る2020年4月より、中小企業にも働き方改革関連法案が適用された。生産性向上のほか、BCP(事業継続計画)の観点からも、テレワークの必要性はますます高まっている。しかしながら、従業員規模が小さくなるほどテレワークを実施している企業は少なく、東京商工会議所による調査(※)では、従業員50人未満の企業でのテレワーク導入率は14.4%にとどまる。導入が進まない背景には、「労務管理などの社内体制が整わない」、「ICT環境が整備できていない」といった、中小企業ならではの課題が多くあるという。今回、両社が協業を決めた背景には、それぞれが自社でテレワークを実践し、それに伴うサービスを提供しているという共通点がある。コニカミノルタジャパンは2013年から、TRIPORTも2014年の創業時からテレワークを実施。その中で得られたノウハウや知見をもとに、テレワークを開始する企業の支援を行ってきた実績を持つ。
「テレワーク導入のための環境整備」や「労務相談業務」を提供
今後は、両社がテレワークに取り組む中で得られた知見をもとに各企業の課題に対応し、相互送客を行うことで、次のサービスを展開していく予定だ。具体的な提供サービスとして、コニカミノルタジャパンは、テレワーク導入におけるIT課題解決をサポート。「コミュニケーション」、「業務設計」、「ICT環境」、「労務管理」、「セキュリティー」「情報発信」の6つの課題に対し、最適なサービスを提供・支援するとのこと。またTRIPORTは、人事労務まわりを内製化しきれていない中小企業に対し、関連情報を提供しながら業務課題を表面化させ、クラウドでの労務相談を通じて解決をはかる。また要望に応じて、テレワーク導入時の社内制度設計・整備や助成金申請サポートも実施し、総合的な人事労務関連業務サービスを提供していくという。
働き方改革や、今回の新型コロナウイルスのような感染症拡大の防止策としてもニーズが高まるテレワークだが、導入に向けた課題も多いのが現状だ。テレワーク導入にあたっての企業の課題解決が進むことで、社会全体で働き方の選択肢が増え、また非常時にも対応できるようになることを期待したい。
※:「新型コロナウイルス感染症への対応に関するアンケート」調査結果(2020年4月発表)
http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1021764