HRプロとは株式会社POLは2020年2月、同社が提供する優秀な理系学生を発掘するスカウト採用サービス「LabBase（ラボベース）」を、経済産業省（以下、経産省）が利用開始したと発表した。日本経済や産業発展をリードする経産省に対し、技術のみならず行政操作にも貢献する理系人材を排出することで、イノベーション立国の実現を目指すとしている。
経産省はなぜ理系人材の採用に注力するのか
世界経済のなかで遅れを取る日本が、国際的に通用する競争力を取り戻すためには、科学技術によるイノベーションが不可欠だ。しかし、企業や研究現場が単体でできることには限りがあるため、両者を融合し、実社会において科学技術がスピーディーに応用・発展することを可能とするシステム構築が重要視されている。これが背景となり、現在公務員に必要とされているのが、研究現場をよく知る科学技術を専門とした理系人材だ。経産省は、純粋な研究における技術改良だけではなく、新たな技術を社会実装したときの全体最適をはかることに特化した人材採用を目指し、「LabBase（ラボベース）」の利用にいたったという。
本サービスの利用開始にあたり、経産省の採用担当である八木春香氏は、「社会を変える鍵となる技術が、実社会に活かされる仕組みづくりが重要。だからこそ、専門性や理系的思考を活かしながら、国際戦略をともにつくりあげられる人材を求めている」と述べた。これまで機会が少なかった理系学生たちとの出会いに期待を抱いているようだ。
現在、「科学技術立国としての立場が揺らいでいる」といった評価を受けている日本。理系分野に特化した人材が、その専門性を活かして国づくりをおこなうことで、揺るがない「イノベーション立国」の実現につながることを期待したい。
