「転勤は退職のキッカケになる」は若年層でより多い傾向に
まず、「転勤は退職を考えるキッカケになるか」という質問では、64%が「なる」(なる:31%、ややなる:33%)と回答した。若年層ほどその傾向が強く、年代が上がるにつれ数値は下がっている。しかし一方で、転勤がきっかけで実際に退職したことがある人は全体の5%に留まるという結果も出ている。6割以上が条件付きで「転勤辞令を承諾」
実際に転勤辞令が出た時に、多くの人はどう対応するのだろうか。「今後、転勤辞令が出た場合どう対処するか」と尋ねたところ、全体では63%が「承諾する」(承諾する13%/条件付きで承諾する50%)と回答した。働きやすい環境が整っているなど、納得のできる条件であれば転勤を受け入れる層が一定数いることが分かった。「家賃補助」「昇進・昇給」「期間限定」などの条件で転勤を承諾する人が多数
「条件付きで承諾する」と回答した人に承諾条件を質問したところ、「家賃補助が出る」(73%)、「昇進・昇給がある」(56%)、「転勤期間が決まっている」(55%)などの項目が上位に挙がった。また、「転勤先を選択できる」という条件については、男性が27%、女性は42%と差がでる結果となった。女性は結婚や育児など、家庭の事情による影響を受けやすく、できるだけ希望する場所で働きたいという意識が強い傾向にあると考えられる。
年代で異なる転勤拒否の理由
「条件に関係なく転勤を拒否する」と回答した人を対象に理由について尋ねると、「配偶者も仕事をしているから」(34%)、「子育てがしづらいから」(34%)、「親の世話・介護がしづらいから」(33%)といった項目が挙げられた。年代別でみると、20代は「新しい土地に慣れることが大変だから」が40%と割合が高く、30代では「子育てがしづらいから」(46%)、40代以上では「親の世話・介護がしづらいから」(41%)と、年代によって転勤拒否の理由に大きな違いがあることも明らかとなった。
今後は、子育てや介護との両立可能な働き方を求める社員が、一層増えることも予想される。これまでのような会社主導による転勤のあり方を見直すタイミングにきているのではないだろうか。