人事業務に関する問い合わせ対応の属人化
日本最大級のトラック・バス製造会社である日野自動車は、事業拡大に伴い多様化する働き方に合わせた業務効率化を実現するため、2008年度より人事業務での電子化を徐々に進めていた。しかし、担当であるグローバル人財開発部への問い合わせが発生した際、質問が特定の担当者に集中し工数を圧迫するという課題が発生していた。また、同社では社内チャットボットツールを保持していたものの、人事業務に関しては回答が不十分で活用しきれていなかったようだ。そのような課題を解消するために、年末調整や勤怠、社会保険などの人事業務に特化した株式会社Works Human Intelligenceの「HR Chatbot」の導入を決定した。問い合わせを可視化し、人事業務の効率化を図る
日野自動車が導入した「HR Chatbot」は、年末調整や働き方改革、勤怠、社会保険など、従業員から人事へ寄せられる膨大な問い合わせに、チャット形式で自動回答するSaaSサービスである。特徴の一つに、想定される500件以上の質問を予め作成・登録できるという機能がある。汎用的なFAQを自社で作成しなくてもよいためすぐに利用でき、問い合わせに対してスピーディーに対応できる。また個社のFAQも簡単に追加することも可能だ。
さらに、従業員からの問い合わせ内容や「HR Chatbot」による頻度の高い回答、回答に対するフィードバックなどを「HR Chatbot」の画面から出力することができるため、どのような問い合わせが来たのかを可視化することができる。また、問い合わせ内容を「HR Chatbot」に蓄積することで、属人化を防ぎ、データの分析・対策に活用することができる。
働き方改革の促進や人材不足解消など、さまざまな課題を抱える企業においては、いかに業務を効率化し、生産性を向上させていくのかは企業の成長に大きく影響する問題となっている。人事業務における電子化、ロボット化を進めることで、社全体の労働環境の整備、業務の効率化の実現を期待することもできるだろう。