厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ(2024年1月公表)」によると、日本における外国人労働者数は初の200万人を超えました。企業に届け出が義務化された2007年から過去最高を更新し続けています。2019年4月に「特定技能制度」を政府が創設して以降、労働力確保やビジネスのグローバル化、高度人材の獲得といった目的を持ち外国人採用に取り組むようになった企業が増えています。一方で、受け入れにあたり「外国人採用を成功に導くノウハウがわからない」、「外国人の採用や定着に課題あり」という企業もかなり多いようです。

本書では、著者の豊富な経験とデータをもとに「職場の外国人管理と人材マネジメントに取り組むための方法」が解説されています。グローバル採用のための適性検査CQIを活用して、グローバル人材の能力を最大限に引き出すヒントを具体的な事例と併せてぜひご確認ください。

書籍名:なぜ外国人に「ちゃんと」が伝わらないのか-日本企業で外国籍人材に力を発揮してもらうために-
出版社:三修社
書籍発売日:2024年9月20日
なぜ外国人に「ちゃんと」が伝わらないのか-日本企業で外国籍人材に力を発揮してもらうために-

▼内容紹介

外国人社員についての悩みはこれで解決! そして、日本のグローバル化は明るい未来そのものになる
●インド人にとって月4回の遅刻は「“ちゃんと”時間を守っている」という認識
●インドネシア人にとって工場のルールは半分守っていれば「“ちゃんと”ルールを守っている」という認識

本書著者の経営する株式会社エイムソウルの調査によると、業務における基準(モノサシ)は国によって大きく異なっています。しかし、このような違いを理解しないまま、急に外国人社員のマネジメントを任された管理職は戸惑うことになります。「ちゃんと時間を守って/ちゃんとルールを守って」と指示しても、その「ちゃんと」の基準が大きく異なるからです。
このようなトラブルは一部の企業で起こっていることではありません。いまや大企業の83.3%が外国人採用をしており(ジェトロ調査2023年)、工場など一部の職場では過半数が外国籍人材ということも。急激な変化に、管理職や受け入れ部署は戸惑い、不満を感じて後ろ向きな態度をとってしまう事象が頻発しています。

本書では、それらの問題を解決するための考え方や具体的な方法を、外国人採用で広く使われる適性検査CQI(異文化適応力検査)に蓄積された世界110カ国・地域の人材ビッグデータの分析結果や、著者の海外赴任時の経験などをもとに解説していきます。
また、巻末には各分野でグローバル化、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する方々へのインタビューを掲載しました。

【インタビューでお話を伺った方々】
米倉誠一郎(一橋大学名誉教授)
奥田久栄(JERA代表取締役社長)
中村岳(レアジョブ代表取締役社長)
佐藤朋也(ヒューマンホールディングス代表取締役社長)
小林景子(パソナグローバル事業本部副本部長)
柴崎洋平(フォースバレー・コンシェルジュ代表取締役社長)
杉田昌平(Global HR Strategy代表社員弁護士)
廣瀬俊朗(元ラグビー日本代表キャプテン)
森本千賀子(morich代表取締役社長)
志村季世恵・志村真介(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)
正木郁太郎(東京女子大学准教授)(版元ホームページより)

▼目次

第一章 なぜ外国人に「ちゃんと」が伝わらないのか(文化編)
 英語もろくに話せない三十九歳が海外に飛び込んだ
 「自分の価値観」を押し付けて大失敗する
 イスラム教を理解せず、部下にたしなめられる
 日本人の「ちゃんと」と外国人の「ちゃんと」の違い
 世界の文化分類に属さない特殊な日本文化
 文明と文化の違い
 月一回しか遅刻を許さない日本と、月四回許されるインド

第二章 なぜ外国人に「ちゃんと」が伝わらないのか(コミュニケーション編)
 日本人の特殊能力「空気を読む力」
 日本人のハイコンテクストに戸惑う、ローコンテクストな欧米人
 ハイコンテクスト同士でも会話がズレてしまうワケ
 日本企業の競争力の源泉、暗黙知
 メタ認知能力を高め、自分の「暗黙知」に気づく

第三章 「ちゃんとやって」からの脱却法
 早期離職の実態
 モチベーションダウンの実態
 文化の違いから起こるトラブル
 形式知化のフレームワーク「モノサシ・理由・メリット」
 そもそもそのルールは必要なのだろうか
 自分の常識は世界の常識ではない

第四章 文化の知能指数「CQ」が必要な時代
 IQ、EQ、そして文化の知能指数CQ
 外国籍人材の適応力を測る、世界唯一の検査CQI
 CQI活用事例
 スポーツチームから学ぶD&I
 日本人の受容力を測るCQI-II
 CQI-II活用事例
 「意識」と「感覚」に訴えて、海外希望者を増やす
 日本人の海外赴任力を測るCQI-III
 CQI-III活用事例

第五章 CQIからみるこんなに違った各国の常識と文化
 平均値で捉える各国の常識と文化
 自国文化の誇りが強く、成長意欲の高い韓国人
 自律しつつも、強い仲間意識のある中国人
 温和で、モチベーションの強いフィリピン人
 和を乱さず、信頼関係を大切にするカンボジア人
 シャイなマイペースで、仲間意識の強いインドネシア人
 思いやりが強いが深く干渉しない、ポジティブなタイ人
 外向性が高く成果にこだわる、生き抜く力の強いインド人
 ハングリー精神とキャリア志向の強いベトナム人
 短期間で人間関係を作り、建設的主張のできるネパール人
 真面目で、洞察力が高い日本人

第六章 日本のグローバル化への挑戦(鼎談・対談集)

▼著者プロフィール

【稲垣 隆司(いながき たかし)】
株式会社エイムソウル代表取締役社長。
同志社大学卒業。急成長したベンチャー企業で人事部責任者を務め、年間600名の新卒採用の仕組みを作る。2005年株式会社エイムソウルを設立し、700社を超える顧客の採用や教育などをサポートする。2014年インドネシアに進出し現地に人事コンサルティング会社を設立。海外に進出した日系企業に特化して人事コンサルティングを行う。2020年に異文化適応力検査(CQI)を開発し特許を取得。集まったビッグデータを基に日本のグローバル化を促進させるべく課題解決に取り組んでいる。
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