グローバル化や技術革新、環境問題や高齢化など、様々なビジネス環境の変化が企業に変革を迫っています。企業は「人」が動かしていますから、企業の変革の成否は「人」が握っていることは間違いがありません。そして人材と組織の開発が、変化を促進することも間違いがありません。ですから、人材と組織に関わる私たちがChange Accelerator(変化を加速させる存在)であるべきです。
We are Change Accelerators! 今、エグゼクティブが動くべき

この5年が勝負だ

グローバル化や技術革新、環境問題や高齢化など、様々なビジネス環境の変化が企業に変革を迫っています。企業は「人」が動かしていますから、企業の変革の成否は「人」が握っていることは間違いがありません。そして人材と組織の開発が、変化を促進することも間違いがありません。ですから、人材と組織に関わる私たちがChange Accelerator(変化を加速させる存在)であるべきです。
 ところが人材開発には一定の時間が必要です。Inputや経験の積み重ねが実力になるためには数年~10年単位で取り組む必要があるといわれます。できるだけ若いころから人材を鍛え始めるのはそのためです。
しかし一方で、環境の変化は待ってくれません。おそらくこの4,5年で勝負が決まってしまうようなスピード感ではないでしょうか。

エグゼクティブリーダーが動くべき

この4,5年で勝負が決まるとしたら、今、力を発揮しなければならないのは、今、企業の舵を握っているエクゼクティブリーダーです。
さらに今、ビジネスはグローバル化を前提にして変化しています。世界に伍して戦える企業であることを市場に訴えるためには、世界標準の枠組みの中で闘う必要もあります。例えば、昨今のコーポレートガバナンスでは日本企業は高い次元での成長投資や環境・社会への貢献、株主への貢献を求められるようになりました。特に海外投資家は、グローバルメジャー企業と比較して、相対的に低い日本企業の利益率を高めることを強く求めてきます。今や企業のエグゼクティブは、自分の事業の売り上げやシェアだけを見て頑張る、ということだけでは務まらない時代になったのです。

やらなければならないが、経験・スキルが足りない場合はどうするか

 ビジネスは新しい局面に入っていますから、やるべき目標があり、立場的にそれに責任をもたなければならなくても、エクゼクティブ自身が必要な経験やスキルを持っていないこともあります。そんな時はどうすべきでしょうか。
これまでの経験を総動員し、あとは気合と度胸で対処する、というのも1つのやり方ではあるでしょう。しかし、それだけで上手くいくのでしょうか。
 エグゼクティブを孤軍奮闘させてはいけません。エグゼクティブがそのタスクを達成できるように、必要な知識やスキル、プランの立案や実行フォローを、必要なタイミングで受けられるようにすべきです。
私はその機能を「戦略メンター」と呼んでいます。
 戦略メンターとは、エグゼクティブが、業務上必要としている知識を「Teaching」し、その知識を自分の業務の場合で考え、戦略をつくることを「Coaching」し、その実行を「Mentoring」することすべてを含めてこう呼んでいます。エグゼクティブへのフォローは個別の状況やタスクを前進させるものであり、また必要とするスケジュールに間に合うものでなければ意味がありません。そのため個別の状況や課題を共有するMan to manで行う必要があるでしょう。何より「いくら時間を割いても、状況が前にすすまない」ということは、避けなければなりません。課題を解決するに足る実践的な内容である必要があります。

今必要な能力を、今身につける <M&Aを行ったA社の事例>

このように考えるようになったきっかけは、お客様のA社から以下のようなご相談をいただいたことからです。

A社は、近年いくつかのM&Aによって海外の企業を傘下に収め、役員に外国人が連なることになりました。そのためA社の社長は役員会で議論をする際に、財務的な知見が今までよりずっと必要になっていました。また、社外取締役や証券アナリストに社長自らが自社の決算や財務、今後の戦略について説明をする必要がありました。そこでどんなプレゼンテーションをするかによって、株価が変わってしまう重要な場面です。
A社の社長はビジネスで実績をあげ、若くしてCEOになった優秀な方ですが、財務についてはそれほど詳しくはありませんでした。ですが、社長の責務として、詳しくないので他の者に任せてしまうわけにはいかないと考えました。しかし、一人で勉強をしてすぐに業務に使えるほどに習熟するのは難しい状況でした。

このような課題をお伺いして、私たちがご提案したのが社長への「戦略メンター」のプログラムだったのです。
プログラムは1回3時間で6回です。
「コーポレートファイナンスの基礎・講義」→「ケーススタディ ファイナンスの理解深掘り」→「経営指標・講義」→「過去10年間を自社の財務諸表で振り返る」→「競合他社比較」→「自社のアナリストレポート議論」
この中で、実際のシーンで社外取締役や証券アナリストから問われると想定される財務施策の論点を整理し、対応を具体的に準備していきます。A社の場合は、財務のプレゼンテーションを英語で行う必要があったので、上記のプログラムの中でも英語でレクチャーし、ディスカッションを行いました。

実際に動くことが何よりも大事

目の前に達成しなければならない目標があるなら、その達成のための具体的な方法を考えなければなりません。欧米ではエグゼクティブにそれぞれの分野の専門家が個人教師につくことは珍しくありません。それは確実な方法であるという評価があると考えていいでしょう。
 アーノルド・シュワルツネッガーは「私がウェイトリフティングするのを見ていても、あなたに筋肉はつかない」と言ったといいますが、本当にその通りだと思います。エグゼクティブのフォローにおいても、一番大切なことは必要だ、有効だと考えられることは実際に試し、動いてみてPDCAを早く回していくことだと思います。
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