「エンプロイーエクスペリエンス(EX)」を取り巻く概況
PwCコンサルティング合同会社 ディレクター 土橋 隼人氏
「EX」が注目される4つの理由とは
まず我々が所属しているPwCについてご説明させていただきます。PwCは世界最大級のプロフェッショナルサービスネットワークで、世界152カ国中に約32万8千人のスタッフを擁しております。その中の、組織・人事領域のコンサルティングを担っている我々People Transformationチームは、戦略・制度設計からテクノロジー導入まで、一気通貫でのケイパビリティと実績を持つ日本最大級のコンサルティング組織です。まず、エンプロイーエクスペリエンス(以下、EX)とは何かをご説明します。EXとは、従業員が組織や企業の中で得る経験・体験のことを指しています。このEXの向上が、結果的に従業員エンゲージメントの向上に繋がることが世界的に認識されており、非常に重要な概念として注目されています。なぜ注目されているのか、4点に整理します。
1点目は、人材獲得競争の激化。皆さんの会社でも、人材不足や採用が困難になっている、または若手社員が転職してしまうといったことが起きているのではないでしょうか。外部データから、「今の会社に定年まで勤めるつもりはない」と考えている若手社員が多いということがわかっており、従業員の獲得・引き留めが喫緊の課題となっております。
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