新型コロナウイルス感染症拡大による社会情勢の変化で、急速にテレワークの普及が進みました。日本経済団体連合会(経団連)のアンケートでは、経団連加盟企業の97%がテレワークを実施していることが明らかになっています。そしてこのテレワークの普及は、一過性のものではなく、多くの企業で今後も定着するとの見方が出始めています。つまり今後の世の中では、ITを活用した場所や時間にとらわれない働き方が、さらに加速することが予測されているのです。これまでとは働き方が全く異なるこれからの時代に、人事はどう変わるべきなのでしょうか。そして会社をどう変えていくべきなのでしょうか。
アフターコロナではこれまでの「当たり前」が破壊される──先の世界を見据え、人事はどう変わるべきか【29】

企業で何が起きているのか?

いま、社会が急速に変化しつつあります。満員電車での通勤、会社に1日中こもっての仕事、残業、飲みニケーションなど、少し前までの当たり前が、いまでは過去のものになりつつあるのです。私たちに、何が起こっているのでしょうか。

新しい当たり前の誕生
私たちはいま、これまでの当たり前が破壊され、新たな当たり前が生まれる瞬間に立ち会っています。ほんの2ヵ月ほど前までは会社に行くことが当たり前だったはずが、在宅勤務が当たり前になりつつあります。休日に外出することが当たり前だったはずが、家で過ごすことが当たり前になっています。

仕事でもプライベートでも人と会うことはリモートで行われ、外食はテイクアウトが主流です。こうした状況の中では古い価値観が淘汰され、新たな価値観が次々と生まれます。つまりパラダイムシフトが起こっているのです。

生まれ変わる社会
私たちがいま目にしている現象は、感染拡大防止による一過性のものではありません。既に多くの企業で「アフターコロナ」として、今後の新しい世の中を見据えた動きが始まっています。

大企業でもこれまでの世の中には戻れないと考え、新しいビジネスや新たな営業手法を考える担当者が少なくありません。ある企業では訪問での営業が難しくなったため、営業活動をすべてオンラインへと切り替えました。そしてあるイベント会社でも、イベント中心の事業からWEBでの動画配信事業へとシフトしようとしています。

多くの企業では、テレワークを実現するためITにかなりの投資を行いました。コストをかけた分を回収するのが、企業の当然です。そのため、在宅勤務の定着やITを活用した生産性の向上など、中長期的にコストを回収できる方法を検討し始めているのです。

まさにいま、新たな時代の息吹が次々と生まれはじめています。

変わりゆく今までの「常識」

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