国公立大偏重主義の大手メーカー
ターゲット校にしている大学群をメーカー、非メーカー別に分けて、さらに企業規模別に見てみると、面白い傾向が見られます。まずはメーカーと非メーカーでの全体比較です。非メーカーで最も人気があるのは「GMARCH・関関同立クラス」55%で、次いで「日東駒專・産近甲龍クラス」と私立大グループが上位を占め、3番目が「地方国公立大クラス」となります。意外にも「早慶上智クラス」はそれほど高くありません。
一方、メーカーを見ると、最も人気があるのは「地方国公立大クラス」の53%、「理系単科大クラス」40%、「中位国公立クラス」38%と続き、国公立大グループが人気となっています[図表3]。
さらに規模別に見てみると、非メーカーでは「GMARCH・関関同立クラス」の大企業での人気が突出して高いこと、「地方国公立大クラス」が大企業での人気が低いこと以外は、規模による大きな差異は見られません[図表4]。これに対してメーカーの大企業のデータを見ると、1位「旧帝大クラス」、2位「上位国公立クラス」、3位「地方国公立大クラス」、4位「中位国公立クラス」「GMARCH・関関同立クラス」と、上位を国公立大グループが独占しています[図表5]。メーカーの国立大偏重の傾向がはっきりと見て取れます。メーカーは歴史の古い企業が多く、今も旧態依然とした大学評価が脈々と受け継がれているのだと思われます。
非ターゲット校の現実は
最後に、こちらも弊社調査でしか浮かび上がってこないであろうテーマについて見てみます。ずばり「ターゲット校以外の学生に対して、どのような対応をしているのか」です。企業規模による差異は若干あるものの、傾向値としてはそれほどの開きがありませんでしたので、ここでは全体のデータで見てみます[図表6]。
「すべてを通常の選考ルートに上げている」とする企業は79%にとどまり、2割の企業は採用広報でターゲット校とそれ以外の大学と差をつけているだけでなく、選考においても差をつけているという結果になりました。しかもその差は「選考段階に上げていない」という、学生や大学関係者が知ったら驚くべき内容です。つまり、どんなに素晴らしいエントリーシートを提出したとしても、これらの企業では「見られてもいない」ということです。この2割の企業においては、「ターゲット校=採用指定校」と言い換えてもよいでしょう。
以前から就活における大学格差は指摘されていましたが、この数字を皆さんはどう感じますか?
(筆者注)[図表6]のデータは、あくまでも「ターゲット校を設定している企業」における割合を示しています。“世の中の2割の企業がターゲット校以外の学生を選考に上げていない”わけではありません。ご注意ください。
以前から就活における大学格差は指摘されていましたが、この数字を皆さんはどう感じますか?
(筆者注)[図表6]のデータは、あくまでも「ターゲット校を設定している企業」における割合を示しています。“世の中の2割の企業がターゲット校以外の学生を選考に上げていない”わけではありません。ご注意ください。