「入社前集合研修」「アルバイト」を敬遠する理系学生
では、学生は内定を取得した企業にどんなフォローを望んでいるのでしょうか。[図表2]は、文系、理系別に希望する内定フォローの内容を聞いたものです。文系、理系でそれほど差がない項目もありますが、中には大きな差もあるようです。「内定者懇親会」については文系、理系ともに8割の学生が希望しており、こちらも2位以下を大きく引き離しています。次いで「若手社員との懇親会」「定期的な連絡」が上位に来ており、このあたりまでは企業の思惑と一致しています。企業の考えと学生の希望でズレがあるのは次の「資格取得支援」です。文系で35%、理系で28%と多くの学生が期待しているにもかかわらず、企業で実施しているのはわずか6%しかありません。学生は企業が考えている以上に、成長意欲が高いようです。
その他、企業の実施予定と学生の希望でズレがある項目は、「社内報の送付」と「保護者向け会社説明会」、それと「内定者旅行・合宿」です。「社内報の送付」を予定している企業は33%ありますが、学生で希望しているのは文系で20%、理系で19%にとどまります。学生には社内報のイメージがわかないということもあるかもしれません。
逆に「内定者旅行・合宿」を予定している企業は4%と少数派ですが、学生は文系で20%、理系で18%が希望しています。長時間の拘束を敬遠していると思われる理系学生も、「内定者旅行・合宿」は「内定者懇親会」の延長と捉えているのかもしれません。
文系と理系を比較して端的な違いが見られるのは、「入社前集合研修」と「アルバイト」です。それぞれ文系の33%、21%に対して、理系は23%、10%と理系の方が10ポイント以上低くなっています。理系学生は、就職活動終了後も卒業研究等で忙しい日々が続いており、拘束時間の長いものは敬遠しがちです。ワクワク感や成長実感といったプラス面と、拘束される負担感などのマイナス面とのバランスを考えて、フォロー施策を考える必要がありそうです。