7割もの学生がインターンシップに参加

2016年卒採用でキーワードとなっていたインターンシップについても見てみましょう[図表3]。
 文系で「0社(応募をしていない)」と回答した人は、2015年卒学生の43%だったのに対して、2016年卒学生ではわずか14%にとどまり、逆に「4社以上」と回答した学生は17%に上ります。理系についてもほぼ同様なことが起きています。
 実際にインターンシップに参加したことのある学生の割合で見てみると、文系は2015年卒の46%が2016年卒では70%に、理系でも同じく44%から71%へと大きく伸びています。キャリアセンターや就職ナビに、インターンシップに参加するよう煽られているということなのでしょうが、7割もの学生がインターンシップを経験しているというのは驚きの数字です。インターンシップは、完全に就職活動の一部として考えられていると言えるでしょう。
第45回 企業の動きに学生は付いていけているのか?
参加したインターンシップのタイプも見てみましょう[図表4]。文系、理系ともに昨年比で大きく減っているのは「2週間程度」のインターンシップで、その他のタイプはすべて伸びています。「2週間程度」のインターンシップの多くは単位認定されるものの、インターンシップ先は学生が自由に選択できるわけではありません。また、拘束期間の長さから敬遠され、もっと短期間のものに複数参加しようとしているようです。
第45回 企業の動きに学生は付いていけているのか?
逆に大きく伸びているタイプは、「半日」や「1日」、いわゆる1Dayインターンシップです。1Dayインターンシップは、複数の拠点で同一プログラムを実施することも比較的容易ですし、1回当たりの受け入れ学生数を確保することができます。7割もの学生がインターンシップ参加経験者になったのは、まさしく1Dayインターンシップをはじめとする短期間のプログラムが増えたことによるものです。2016年卒学生向けに公開された企業の採用ホームページを見ると、今後開催されるWinterインターンシップの案内があちらこちらに見受けられます。学生の最終的なインターンシップ参加経験者はさらに伸びるものと思われます。

企業の動きに敏感な学生

最後に、冒頭に触れたような採用ホームページの早期公開の動きについて知っているかどうかを聞いてみました[図表5]。すると、文系では過半数の55%、理系でも半数近い48%の学生が「知っている」と答えています。インターンシップ参加企業からあらかじめ伝えられていた学生も多いようです。
第45回 企業の動きに学生は付いていけているのか?
これまでであれば、採用広報解禁日である3月1日に公開するのがスタンダードだったのに対して、解禁日よりも3カ月も前に採用ホームページが公開されることについて意見を聞いたところ、「早く就職活動を始めなければと思う」「早くから情報を発信することはいいことだ」と肯定的に捉える学生が過半数を占め、「解禁日前に開設するのはおかしい」「就職活動は解禁日からするつもりだ」と回答した学生は1割程度にすぎませんでした[図表6]。昨年までと比べて静かに思える今年の12月ですが、採用戦線は確実に進行しており、感度の低い学生は取り残されてしまう恐れがあります。
第45回 企業の動きに学生は付いていけているのか?
  • 1
  • 2

この記事にリアクションをお願いします!