一例を挙げてみると、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3行をはじめ、丸紅、住友商事、三井住友海上火災保険、日本郵政グループ、旭化成グループ、資生堂、ユニ・チャーム、川崎重工業、東芝、富士通、サッポロビール、三越伊勢丹グループ、NTTデータ、商船三井など、各業界の錚々(そうそう)たる顔ぶれの企業が並びます。さすがに大手企業は、社員紹介や職種紹介などにとどまりますが、中にはテレビ東京やPlan・Do・Seeのようにすでにプレエントリーの受付まで開始している企業もあります。
今回は、このような企業の動きに学生は付いていけているのかを、11月末に実施した学生アンケートから見てみたいと思います。
早くから就職を意識している2016年卒学生
まずは、2016年卒学生が就職を意識し始めた時期について、昨年12月に実施した2015年卒向けのアンケート結果との比較で見てみましょう[図表1]。文系では、「3年生10月~11月」と回答した学生は2015年卒学生では25%もいましたが、2016年卒学生では3分の1以下の7%にとどまります。逆に、「2年生」と回答した学生は9%から20%へと倍増しています。理系を見ても、「3年生10月~11月」は36%から10%に減っているのに対して、「2年生」は3%から9%に、「3年生4月~6月」は34%から48%に増えています。これら一連の動きは、現3年生が2年生であったときに起こっており、その度に大々的にマスコミに取り上げられましたので、いやがおうにも就職に関心を持たざるを得なかったとも言えます。
ますます加速する大手企業志向
今度は学生が希望する企業規模を見てみましょう[図表2]。2016年卒学生では、文系の14%が「絶対大手企業」、51%が「できれば大手企業」と合わせて65%の学生が大手企業志向となっています。理系の大手企業志向はさらに強く、「絶対大手企業」が19%、「できれば大手企業」が文系と同じく51%と、合計では実に70%に達しています。大学グループ別に見ると、旧帝大クラスや早慶クラスの文系では、「絶対大手企業」と「できれば大手企業」の合計は85%前後に上っています。理系ではさらに大手企業志向は強くなり、早慶クラスの実に96%が大手企業志向という結果になりました。中堅、中小企業には厳しい結果となっています。