3月までに内定出しピークの企業が増加
今度は内定出しのピーク時期を見てみましょう。まずは文系ですが、「4月後半」までのほぼすべての時期で過去2年間よりも高いポイントとなっています[図表3]。特に「3月前半」は過去2年との開きが大きくなっています。「3月後半」までの累計ポイントで見てみると、2014年卒採用では4%に過ぎませんでしたが、2015年卒採用では11%と7ポイントも高くなっています。さらに、「4月後半」までの累計で見ると、2014年卒採用が36%だったのに対して、2015年卒採用では44%と8ポイント高くなっています。ちなみに、2013年卒採用では「4月後半」までの累計は31%でした。
「4月後半」までのポイントが高くなった分、「5月前半」「5月後半」をピークとする企業割合が減っています。「6月以降」をピークとする企業は昨年と同程度です。
「4月前半」が突出した理系採用
続いて理系の内定出しピークを見てみましょう[図表4]。3月までのピークについても過去2年間より高い数値ではありますが、注目すべきは「4月前半」の集中度合いです。2013年卒採用 10%→2014年卒採用 14%と伸びていましたが、今年はさらに23%と一気に9ポイントも高くなっています。ほぼ4社に1社は「4月前半」が内定出しのピークであったことになります。「4月前半」までの累計では、2014年卒採用で23%であったものが、2015年卒採用では33%にもなっています。理系については、面接回数の削減など選考スケジュール自体の短縮が図られたものと推測されます。内定出しは進むも終了時期はそれほど変わらない
企業の内定出しのペースは昨年を上回るものの、採用活動の終了時期の見込みを尋ねてみると、それほど早くはならないようです[図表5]。それどころかかえって遅くなるとする企業が増えています。「ほぼ選考は終了した」は14%で変わらないものの、「5月終了」「6月終了」「7月終了」はいずれも昨年よりも減少し、「8月終了」「9月以降終了」が増えています。
企業側の採用意欲の高まりは、企業からしてみれば採用競争率の激化を意味しており、思うようにエントリー者が集まらない企業や、後述するように内定辞退者が増えている企業を生んでいるわけです。一部の人気企業は昨年よりも速いペースで採用活動を進める一方、多くの企業は採用活動の苦戦を覚悟しているようです。