上司・先輩がネガティブなら 新人は4 日で辞める
元気がない職場には,必ず病巣がある。多くの場合それは「困ったベテラン社員」の存在だ。覇気が見られないとか,惰性で働いているとかいうレベルではない。周囲に害悪を流し,若者をスポイルするような問題社員である。あなたの職場ではどうだろうか。新人が研修で習ったことを話そうものなら,「お勉強と現場は違うから」と冷笑する。ていねいな仕事を心がけていると,「そんなこと手を抜いても平気だよ」などと,間違ったアドバイスをする。さらには会社や幹部の悪口を言って,新人を仲間に引き込もうとする。こうした手合いが,どこの会社にも一定数いるものだ。
●斜にかまえて辛辣な評論をするのが好きな「社内評論家」
●人望も能力もなく傍流に甘んじている「落伍者」
●新人相手にしかものが言えない小心な「不満分子」
免疫のない新入社員にとって,職場にいる人はみな同じように先輩であり,経験がないだけに誰からも影響を受けやすい。ときとして,ベテラン社員が流すネガティブな情報に大きな衝撃を受けることもある。筆者が遭遇した新人の最短離職記録は4 日。入社して翌日から研修が始まるという日に早くも辞表を出した。聞くと,職場のベテラン2 人から,よくない話を吹き込まれたのが原因だった。
「うちは同族会社だから,がんばっても部長止まりだとか,優秀な社員はみんな辞める,残っているのは米つきバッタだけだとか,情けない話ばかりするんです。それが事実かどうかは別として,こんな人たちと一緒に働くのはごめんだと思いました」
これほど極端ではなくても,先輩からイヤな話を聞かされて一気にモチベーションを下げる例は少なくない。それが直属の上司であったとなれば,罪はさらに深い。
こうした現象は今に始まったことではないが,人減らしの時代が長く続いて部下や後輩を持つ経験が少なくなった分,今どきの上司や先輩のほうが,それ以前の世代よりも陥りやすい傾向があることは確かだ。