文系と理系で1カ月のタイムラグ
次に、内定取得時期の違いについて、文系と理系を比べてみましょう[図表5]。「2020年5月以前」や「2020年6月」などの超早期は、そもそも内定を取得している割合自体がまだ低い時期ですが、いずれも理系より文系のほうが内定を取得している割合が高くなっています。ただ、これは超早期に就職活動をしている割合自体、文系のほうが理系よりも高いことが理由なのではと推測します。
文系と理系の内定取得率が逆転するタイミングが「2020年11月」です。この頃から「2021年4月後半」までは、ずっと理系の内定取得率のほうが高くなります。「3月前半」では4ポイント(文系9%、理系13%)、「3月後半」では5ポイント(文系15%、理系20%)、「4月前半」では6ポイント(文系19%、理系25%)も理系が高く、「4月後半」ではわずか1ポイント差(文系26%、理系27%)にまで縮まり、「5月前半」からは一転してまた文系のほうが高くなります。「5月前半」は5ポイント(文系24%、理系19%)の差ですが、「5月後半」には12ポイント(文系35%、理系23%)、「6月前半」にも11ポイント(文系33%、理系22%)と10ポイント以上の差が続きます。
内定取得のピークで見ると、理系は「3月後半」に20%と文系よりも5ポイント、さらに「4月前半」には6ポイントの差をつけ、順調に内定を取得した後、「4月後半」に27%でピークを迎えます。「5月前半」はゴールデンウィークもありいったん落ち込みますが、「6月前半」になっても23%とそれほど伸びず、「6月後半」は22%とさらに減少していきます。これに対して、文系は「4月後半」に26%で理系とほぼ並んだ後、「5月前半」には24%とやや減少するものの、「5月後半」には一気に35%まで伸びてピークを迎え、「6月前半」も33%と依然高い内定取得率をキープしています。このように、理系と文系の内定取得時期には1カ月ほどのタイムラグ(理系のほうが早い)があります。
前項の内定社数データでも、理系は大学グループ間での差異はあまりなく、調査時点で全体の内定率(内定社数「0社」以外の合計)は、文系の78%に対して理系は既に87%まで達しており、内定取得ペースが文系よりも早くなっていることがうかがえます。
内定取得のピークで見ると、理系は「3月後半」に20%と文系よりも5ポイント、さらに「4月前半」には6ポイントの差をつけ、順調に内定を取得した後、「4月後半」に27%でピークを迎えます。「5月前半」はゴールデンウィークもありいったん落ち込みますが、「6月前半」になっても23%とそれほど伸びず、「6月後半」は22%とさらに減少していきます。これに対して、文系は「4月後半」に26%で理系とほぼ並んだ後、「5月前半」には24%とやや減少するものの、「5月後半」には一気に35%まで伸びてピークを迎え、「6月前半」も33%と依然高い内定取得率をキープしています。このように、理系と文系の内定取得時期には1カ月ほどのタイムラグ(理系のほうが早い)があります。
前項の内定社数データでも、理系は大学グループ間での差異はあまりなく、調査時点で全体の内定率(内定社数「0社」以外の合計)は、文系の78%に対して理系は既に87%まで達しており、内定取得ペースが文系よりも早くなっていることがうかがえます。
超大手企業の採用の裾野が広い理系
次に、内定先企業の企業規模の違いを文理別に見ていきましょう。まず、文系の結果を見てみると、「旧帝大クラス」では断トツで「5,001名以上」の企業が最多となっており、58%と6割近い学生が内定を取得しています[図表6]。
次いで「1,001~5,000名」が38%で続きます。「早慶クラス」を見てみると、「1,001~5,000名」は44%で「旧帝大クラス」よりも6ポイント高くなっていますが、「5,001名以上」となると47%と「旧帝大クラス」よりも10ポイント以上引き離されています。「旧帝大・早慶」とひとくくりでグルーピングされることも多いのですが、選考状況には明らかに違いが見られます。「上位国公立大」や「上位私立大」になると、「1,001~5,000名」が最も多く、その割合は「早慶クラス」とほぼ並んでいますが、「5,001名以上」となるとそれぞれ30%、36%と「早慶クラス」からさらに10ポイント以上引き離される結果となっています。その他の大学グループにおいても最も内定を取得している割合が高い企業規模は「1,001~5,000名」となっていますが、これは冒頭でもお断りしました「楽天みん就」の会員属性によるものだと推測されます。
一方、理系の結果を見ると、文系とずいぶん違うことに気づきます[図表7]。そうです。「5,001名以上」からの内定取得率の高さです。「旧帝大クラス」は文系と似たような結果になっていますが、「早慶クラス」「上位私立大」でも「5,001名以上」は53%と5割を超え、「上位国公立大」で45%、「その他国公立大学」や「中堅私立大」でもそれぞれ36%、33%と3割を超えています。2割に満たなかった文系の2倍前後にもなります。超大手企業といえども、理系採用においてはかなり採用の裾野が広いということがうかがえます。
一方、理系の結果を見ると、文系とずいぶん違うことに気づきます[図表7]。そうです。「5,001名以上」からの内定取得率の高さです。「旧帝大クラス」は文系と似たような結果になっていますが、「早慶クラス」「上位私立大」でも「5,001名以上」は53%と5割を超え、「上位国公立大」で45%、「その他国公立大学」や「中堅私立大」でもそれぞれ36%、33%と3割を超えています。2割に満たなかった文系の2倍前後にもなります。超大手企業といえども、理系採用においてはかなり採用の裾野が広いということがうかがえます。
毎年3月にも就活学生を対象に就職活動動向調査を実施していますが、その中で「志望する企業規模」を問うと、必ず文系よりも理系のほうが大手企業を志望する割合が高い結果(2022年卒調査では、文系47%、理系74%)となります。それは先輩の就職実績を知っているからこそ、自分にも大手企業に就職できる可能性が高いと考えている学生が多いことも大きな理由だと推測されます。