今回はテーマ別研修のうち「リーダーシップ研修」の調査結果をお伝えする。
「リーダーシップ研修」を実施している企業は、全体では5割を超えている。規模別に見ると、中堅~大規模では6割前後であるが、300名以下の中小規模では4割以下に留まっている。

「リーダーシップ研修」実施後に、リーダーシップが向上したという実感があるかどうかを聞いたところ、10%が「確かに向上した」、63%が「まあまあ向上した」と回答した。7割以上が「向上した」と感じているという結果となった。

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リーダーシップ研修は過半数が実施

リーダーシップ研修とは、マネジメントスキル、組織をまとめる力、リーダーとしてのスキルを養う内容の研修である。リーダーシップ研修を実施している企業は全体の52%で、昨年の4割から10ポイント以上増えている。企業規模別に見ると、「1001名以上」は58%、「301名~1000名」は65%と、大手・中堅ほど実施率が高く、逆に「300名以下」では38%にまで低下する。

〔図表1〕リーダーシップ研修の実施

「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【5】 リーダーシップ研修

対象者は「リーダークラス(主任・係長クラス)」が最多

リーダーシップ研修の対象者で最も多いのは、「リーダークラス(主任・係長クラス)」で53%だった。次いで「課長」(33%)、「中堅社員」(28%)、「部長」(15%)、「選抜者」(15%)となっている。この結果から、いわゆる管理職になる前の段階で、組織の中でチームを率いる役目をもつ層に対して「リーダーシップ研修」を実施していると想定される。

〔図表2〕リーダーシップ研修の対象者

「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【5】 リーダーシップ研修

課題は「リーダーとしての姿勢や役割意識」

対象者に対して抱いている課題を聞いたところ、「リーダーとしての在り方・姿勢・役割意識」が64%と最も多く、「部下育成力」(55%)、「組織を牽引する力」(47%)、「人間関係構築力/コミュニケーション」(45%)が続いた。
課題に関する具体的なコメントとしては、「部下をマネジメントすることに関する知識、姿勢、考え方などが不足している」、「組織を変えていく発想や創造力が弱い」、「変化スピードの速い経営環境下で、経営計画の実行を担うリーダー・中堅クラスが旧来型のマネジメントスタイルのままである」、「ビジョンを構築する力量が不足しており、仮にビジョンを設定したとしても、その実行度が非常に低い」、「部下育成の意識が不足しているため、次世代の人材が育ってこない」などが挙がった。

〔図表3〕リーダーシップ研修対象者に対して抱えている課題

「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【5】 リーダーシップ研修

「リーダーとしての在り方」を学ぶ内容がトップ

リーダーシップ研修の内容について聞いたところ、対象者が抱える課題に対して育成していくメニューを取り揃えており、「リーダーとしての在り方・姿勢・役割意識」が79%と最も多く、「人間関係構築/コミュニケーション」(52%)、「組織マネジメント」(52%)、「部下育成」(51%)がそれに続いた。
具体的な内容としては、「上司、部下、メンバーに合わせたマネジメントが行えるよう、ファシリテーションや対人対応力向上の研修を実施」、「360度サーベイにて自身を振り返ってもらい、今後の能力開発を考えてもらう」、「数回の合宿やミーティングを通じて、参加者が受講しながら作っていくアクションラーニング」などのコメントが挙がった。
リーダーとしての自覚を促し、さらには部下・同僚・上司など周囲の人を巻き込んで組織を牽引していく力を、さまざまな手法で体得できるように各社工夫を凝らしているようだ。

〔図表4〕リーダーシップ研修の内容

「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【5】 リーダーシップ研修

7割が「向上した」と効果を実感

リーダーシップ研修を実施して、実際にどのような効果が得られたのだろうか。リーダーシップ研修実施後にリーダーシップが向上したという実感があるかどうか聞いたところ、全体の63%が「まあまあ向上した」と答えた。これを企業規模別に見てみると、「1001名以上」では「まあまあ向上した」が83%で最も多く、「確かに向上した」は0%。一方、「300名以下」では「まあまあ向上した」が48%で、「確かに向上した」は21%にのぼる。大手より中小のほうが、効果をより強く実感しているようだ。

〔図表5〕研修実施後にリーダーシップが向上したという実感

「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【5】 リーダーシップ研修

【調査概要】

調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2016年7月29日~8月5日
有効回答:169社(1001名以上:48社、301~1000名:49社、300名以下:72社)

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