「プレミアムフライデー」は、個人消費の喚起や働き方改革への波及効果を狙い、2017年2月24日(金)から始まった「月末の金曜日は早めに仕事を終えて豊か・幸せに過ごす」という新しいアクションのこと。

プレミアムフライデーに期待されている効果は、買物、外食、観光、ボランティア、家族との時間など、個人が生活の豊かさや幸せを感じられる体験や、そのための時間の創出を促すことで、充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になること、地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながること、そして、デフレ的傾向を変えていくきっかけとなることです。

プレミアムフライデーが全国的・継続的な取り組みとなっていくよう、官民連携の「プレミアムフライデー推進協議会」が設立され、統一ロゴマークの無償提供や、人気タレントを起用したキャンペーンなどのプロモーションを積極的に行っています。

スタートした第1回プレミアムフライデーの実態について、プレミアムフライデー推進協議会事務局では、全国の20~50代有職者と同事務局へのロゴマーク申請企業4,512社を対象にアンケート調査を実施しました。その結果を見ると、一般の人々(調査対象者数 2,015人)のうち、実際に早帰りした人は全体の17%でしたが、早帰りした人のうち87.6%の人が「豊かな時間を過ごすことができた」と回答し、調査対象者の59.2%の人が3月以降、「プレミアムフライデーを通じて新しい体験を楽しみたい」と回答。期待感の高さがうかがえます。

また、企業(有効回答数654社)については、特別な販売促進・プロモーションを実施した422社のうち27.7%が「いつもより売上が増えた」と回答。プレミアムフライデーにあわせて「月末の金曜日は午後3時退社」などの働き方改革を実施した企業は全体の18.3%にとどまったものの、そのうち「効果があった」と回答した企業は81.6%に上っています。

具体的に実施した働き方改革導入事例としては、「全社でプレミアムフライデーを実施。ただし、社員全員が公平に取得できるよう別の日への振替を可能とし、柔軟に対応」、「プレミアムフライデーをきっかけに、管理職を対象として働き方改革に関する説明会を実施」、「小売店なので、帰宅と営業を続ける2つのグループに分けた」などの回答があり、企業ごとにさまざまな取り組みが行われているようです。

「プレミアムフライデーを実施しているのはまだごく一部の企業だけ」という声も聞かれますが、今後は、プレミアムフライデー実施の有無が企業の働き方改革への本気度を測るバロメーターの一つになり、採用にも好影響を与える可能性があります。「月末の金曜日は午後3時に帰れる」という企業は、今後、大手企業を中心に増えていきそうです。