「インターンシップ」とは、学生が、一定期間企業などで働くことを言います。

もともとはアメリカで始まった制度で、就職前と就職後の会社のイメージギャップから3年以内に辞めてしまう社員が多いことから、自分の将来に関連した企業へ職業体験に行くことで、就職のミスマッチを防ぐ目的があります。職業意識の向上になり、また、職業選択時に役立つ経験を得るなどのメリットがあり、近年日本でも普及しています。

インターンシップは、アルバイトのように金銭を得ることが目的ではなく、職業体験を得ること、仕事とは何か、社会とは何かを知ることなど、社会勉強が目的であるため、ほとんどの企業では金銭が支払われません。グループワーク、ディスカッション、社員同行などの短期のものから、数日後には正社員と同じように働く長期のものまであり、目的によって使い分けられています。学生にとって、就職活動においての方向性や方法について、基礎的な知識が身に付き、また、就職後、職業生活を送るにあたっての適応力が身に付きます。

企業側のメリットとしては、学校との連携によって、情報交流を深め、学生や社会に対して、企業の存在をアピールできるので、広く社会に認知される好機となります。また学生の職業意識や実務能力の向上、職場に対する理解の促進などから、学生を実践的な人材として育成することができます。
学校側のメリットは、職業適性や職業生活設計について考える多様な機会を与え、職業選択について、積極的かつ主体的な取り組みを促進できます。また企業との連携を深め、必要とされる人材のニーズなどの情報が得られます。

日本政府の取り組みとしては、1997年9月に、文部省・通商産業省・労働省が共同で「
インターンシップの推進にあたっての基本的考え方」をとりまとめ、関係諸制度を整備しました。これにより、日本でインターンシップ制度が徐々に浸透していき、最近では多くの企業にとりいれられるようになりました。

しかし、近年、このインターンシップ制度を理解していない、またはこの制度を悪用して、学生を「ただ働き」させる問題が取り上げられています。アルバイトと同様の売り子や清掃係を無給で行わせたり、発祥地のアメリカでも、無料労働力の使い捨て企業が増え、問題となっていました。

インターンシップには、採用前提のものもあり、実践的スキルも身に付くことから、就職には大変有利と言われています。就職ではなく、職業体験であることから、世間から大変だといわれている職業や一度体験してみたい職業を長期で行うと、インターンシップ本来の目的の社会勉強も意義のあるものになり、広い視野を持つことができます。